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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
41/65

41話 皮肉な運命

 六時三分、参加者の一人である影山和彦はレストランに向かおうとしてる雅也を目撃してる。

「あのガキか……、おっさんと同じ運命に遭わせてやるか。兄貴見ててくれ、俺殺るから」

 影山は自分の兄を思いながら、拳銃を右手で握り、引き金に指を置き、雅也の腹を狙って発砲し、銃声が辺りに鳴り響く。

 一発目は倒れなかったので何回か撃ち倒れた。

「よっしゃ、帰ろー」

 影山は自分の行動を喜びながら、コテージに帰って行く。

 影山が歩いていると、後ろから誰かが首を何かで絞めてきた。

「ヴッ……ぐっ……」

 影山は必死に抵抗するが、影山も子どもだ、急な攻撃で混乱している。

 酸欠で苦しくなる、酸素をとり入れていきたい、頭がもうろうとする、

 嫌だ……死にたくない……死にたくねーよ!!

 心の中で叫ぶが、その叫びも出せずに、影山は地面に倒れ動かなくなった。

 動かなくなった影山を見ながら、犯人は呟いた。

「甘いわね……坊や」

 女性の声がし、その場を去っていった。



浩輝達はメールを見ていた。

[中村雅也死亡確認、享年八、死因腹部を撃たれ射殺]

[影山和彦死亡確認、享年十四、死因絞殺]

「えっと……」

 影山は雅也を殺害した、けどその後誰かに絞殺された。……何と皮肉な運命だ。

 そう思っていると、

『死に際の表情凄かったよ』

 ケイとマイが出てきた。マイが一枚の写真を浩輝に渡そうとしたら、

「安達君!」

 浩輝が背後を向くと木村と友里ちゃんがこっちに来た。

 !? 何で彼女が来たんだ!? 殺されるかもしれない中で……。

 浩輝は彼女が来た事に少し放心している。浩輝達の元へ着いた木村に浩輝は問う。

「……何でここに来たんだ、待っててくれと言ったのに……」

 浩輝はじっとしていられなかった。殺される事がない様に喋った事だったから。

「……ごめんなさい、あなたの事が心配で……」

 木村は悲しい顔で謝罪する。

『あー、ラブストーリーはいいから』

 ケイはうんざりしている様に喋ったので、皆はケイの方を見る。

 マイが一枚の写真を浩輝に渡した。

 写真は何かで首を絞められた死体が写された、首輪が外され、痕は残っていなかった。絞めた痕は鎖の様に見えた。

『中村は、ADHD持ちだった。学校ではいじめに遭い、学校が嫌いだった。ある日、マンションの四階から飛び降りた、弟の事を思いながら』

「……」

『影山はミリオタの少年だった、友人に強制的に失神ゲームをされ、動かなくなった』

 ……俺達は本当に死んだ存在なのか? そう考えながら浩輝は悩む。

『んじゃ、死体処理しとくから』

 そう喋り、ケイとマイはいなくなった。

 浩輝達は静かにレストランへ向かい店内に入る。


 レストランで食事を終えて四人は席に座ったままだった。

「……お兄ちゃん、もしかしたら次私の番かもしれない……」

 友里ちゃんが下を向きながら喋る。

「!?、突然何を言い出すんだ!?」

 浩輝は友里ちゃんの発言に硬直する。

「私、お兄ちゃんとお姉ちゃんが仲が良くなってる事は知ってるよ。お姉ちゃんを守ってよ!私が死んだら守る事ができるでしょ!」

 友里ちゃんは涙を流し浩輝の顔を見ながら訴える。

 八歳が言う様な内容では無かった。

「何をバカな事を!死ぬなんて事言うな!皆に生きて欲しい、現実に戻れる様にしたいんだ!、そんな事もう言わないでくれ……」

 前半少し説教する感じで、後半は胸が痛む様に浩輝は喋る。

「……」

 友里ちゃんは涙を流しながらレストランを出た。

「……俺が行く。安達、少し落ち着いとけ」

 達之が浩輝を諭して、店内を出た。

 少し落ち着いてから、

「……俺達も行こうか」

 浩輝と木村はレストランを静かに出た。

死亡

中村雅也(享年八 腹部を撃たれ射殺)

影山和彦(享年十四 絞殺)

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