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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
35/65

35話 秘密

 浩輝は達之の寝室に上がって床に座って待っていた。

「達之の部屋に入るのは初めてだ……、あれ?この写真は?」

 キョロキョロして棚に飾られている写真を見てみる。

「家族写真……か?達之の隣で笑ってる黒髪で編みこみしてるショートカットの子は妹かな?」

 写真を見ていると達之がお茶を持って上がってきた。

「達之、この写真の子妹か?」

 達之はニッコリ笑いながら、

「そうだよ、優衣って言う」

 お茶の入ったコップを浩輝に渡しながら喋る。

「仲が良い家族だな、両親も優しそうな顔だ」

 浩輝は羨ましそうに喋る。

 写真を見るのを止めて、浩輝達はPSで遊ぶ準備をする。

 達之がPSを持ってるのを見て、浩輝はある事を質問した。

「達之……聞きたい事がある」

「ん?何だ?」

 質問して良い事か分からないが、聞いてみなきゃ分からないので質問する。

「達之は何で左手にだけ黒い手袋をしてるんだ?」

 ずっと気になっていた事だ、達之は何かを思ったかの様に一回目をつむり、再び開き浩輝に話す。

「気になってたのか、教えてやる」

 達之は自分のジャージを脱いで床に置く。左腕の袖をめくって、黒い手袋を取った。

 達之の左腕は義手だった。浩輝は達之の秘密を知ってしまった。

「そうだったのか……、聞いて悪かった」

 浩輝は視線を逸らして謝罪する。

「いや、俺は平気だ。俺にとっちゃこの左腕は誇りでもある」

「誇り?」

 達之は左腕を見ながら喋って、浩輝はどういう事だろう? と思った。

「昔、優衣がトラックに轢かれそうになったんだ。間一髪俺が助ける事ができた、けど、左腕がまき込まれて潰され、切断しなければいけない程の大怪我を負ってしまった。結果こうなった、けど優衣を守る事ができて俺は良かった」

 妹思いの優しいお兄ちゃんだな、と思いながら浩輝は話を聞いていった。

「大変だったな、そんな事があったんだ……」

「まぁ大変だった、他の人にどう思われているか悩んだ時期もあった」

 達之の秘密を聞いて浩輝も自分の秘密、あの傷の事を話す事にする。

「俺にも秘密がある、話していきたいけど、パンツ姿になるけど良いか?」

 浩輝の若干変態な発言をしてしまい、

「あっあぁ……それは構わない」

 達之は、どうした急に!? と思っているかの様に喋る。

 浩輝は達之の部屋で服を脱ぎパンツ姿になった。

「この傷は……一体?」

 浩輝の両足の太股と左側の腹に刃物で刺されている痕を、達之は衝撃を受けながら見ている。

「昔、恐ろしい男に襲われて刺された、あの時は本当に怖かった」

 浩輝は思い出したくないが、少し思い出しながら喋った。

「お互い、トラウマ持ちか……」

「……そうだな、俺と達之似ている所があるのかもな」

 達之は左腕の義手が見える状態、浩輝はパンツ姿で喋った。

 話が終わり、服を着て、二人はPSで遊んでいく。

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