33話 友の思い
コテージに戻り、二階へ上がりパジャマとパンツを準備して日本刀と鞄を置いて一階に下りる。
脱衣所の棚にパジャマとパンツを置いて風呂を沸かす。
しばらく待ち沸いたので、服を脱ぎ風呂場に入る。
ちゃっちゃと終えて風呂場を出て、バスタオルを取り体と髪を拭く。
パジャマに着替え、髪を乾かして歯を磨き、洗濯機に服とバスタオルを入れ準備して蓋を閉じスイッチを押す。
リビングに戻り、二階に上がる。
寝室に着き電気を点ける、浩輝はベッドに寝転がっていると、携帯のメールが入った。達之からだ。
[安達、今日はありがとう。俺も抱え込みすぎていた様だ、……あの時、浩輝と言ってしまった、ごめん]
浩輝は下の名前で初めて呼ばれたのが嬉しかった。返事を書く。
[浩輝と呼んでくれて俺は嬉しかった、達之の悩みは何なんだ?もしかして、俺のあの発言、俺達は死んだ存在、の事か?急に変な事を言ってきて悪かった]
浩輝は嬉しかった事と、あの事に関係して悩んでたのかもしれないので、謝罪の文章を書いて送った。
少し待って返事が来た。
[それもあるが、俺達の力でこのゲームを終わらせる事はできるのだろうか、と悩んでいた。また人が死ぬかもしれないこの世界で……]
そんなに悩んでたのか……、浩輝は返事を書く。
[また誰かが死ぬかもしれない、それは覚悟してる。でも、もし現実世界に戻れたら、俺はその事を背負いながら生きていく。俺達の様な人間を作らないためにも]
送って、少し経つと返事が来た。
[そうだな、俺達はまだ生きている。現実世界に戻りたい。安達、明日俺のコテージに来てくれないか、思い出を作っていきたい。PSを持って来てくれ]
達之の返事を見て浩輝は書く。
[分かった、待っててくれ]
そう送信して、携帯を枕元に置くと、メールが入った。ケイとマイからだ。
[今日の犠牲者は伊藤真君と長岡由貴子さんです。お休みなさい]
「長岡……」
長岡が殺された事を悔やみながら、常夜灯にして布団に入り目をつむり眠る。