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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
32/65

32話 厚意

 木村と別れ、達之とコテージに帰って行く。達之は何かを悩んでいる様子でとても静かだった。

「達之……」

 浩輝はとても心配だった。達之も浩輝と同じく悩みを一人で抱え込んでいる様だったから。

「達之!」

 浩輝は一端立ち止まって大きく喋る、達之は浩輝の言葉に少し驚き一端止まって浩輝の顔を見る。

「達之も一人で色々抱え込みすぎだ!、あの時俺に、悩みは俺に言え、って言ってくれたじゃないか!、あの時俺を助けてくれた、今度は俺が達之を助ける番だ!、俺は……お前が必要だ!!」

 いつもの浩輝とは思えない大きな声で喋ったので、達之は目を見開き、悲しげな微笑みをする。

「安達……、お前は優しいな。俺なんかのために、そこまで思ってくれてたのか」

「俺なんかのため……?そんな言葉使うなよ!自分をもっと大切にしろよ!自分を信じろよ!俺に希望をくれた達之に戻ってくれよ!」

 浩輝は涙は流してはいないが、怒りと悲しみの感情が混ざった様な感覚で達之に叫ぶ。

 達之は浩輝の願いが届いたのかは分からないが、

「……ありがとう、浩輝」

 達之が始めて浩輝と呼んでくれた。俺も悩みを浩輝に喋っていいのか、と言っているかの様に微笑んだ。

 二人はこいつになら相談できる、と思いながらそれぞれのコテージへ帰っていった。

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