30話 真実を探せ
三人は図書館に入り、真っ先に長岡が殺された現場に行ってみた。
現場には長岡の遺体が無くなり、血だらけだった床や本棚はきれいになり新品みたいだった。
「長岡さんは誰に殺されたのでしょうか……」
加害者が死んでいない場合はマイは喋らない。
「容疑者候補は、小川だと思う。奴はライフル銃だった、頭部があんな風になってしまうのは、あの位の銃火器がいると思う。もちろん、他の参加者が散弾銃を持ってたら話は別だが」
達之は探偵みたいに喋る。
浩輝は達之が喋り終え、右手をグーにし強く握りながら、
「……俺達は真実を知って現実世界に戻りたい。野村さんの死、長岡の死を無駄にしない為にも、今生きてる二人、友里ちゃんと雅也を守るためにも戦っていきたい」
浩輝の決意を聞き、達之はよく言った、と言ってるかの様に笑った。
「戦っていこうか、真実という物を探すために」
達之は暗闇の中にある真実をつかんでいく、と思っているかの様に喋った。
話を終えて遺体があった現場から別の本棚に向かい、この殺し合い関係に入るかもしれない本を選び、読書スペースまで持っていき椅子に座って読んでいく。
「……野村さんは一体どんな本を読んで真実を知ってしまったのだろうか」
浩輝は警察関係の本を読みながら小声で喋る。
「さぁ……、ただ何かの真実を知ってしまったのは確かだ」
達之も仮想空間関係の本を読みながら答える。
しばらくの間三人は椅子に座って本を静かに読んでいった。