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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
23/65

23話 生きた証

 しばらくうれし泣きをしてた浩輝の涙はかれていた。

「達之、ありがとうずっと側にいてくれて」

「お前の悩みを聞いて心が少しでも楽になってくれたらいい、もう大丈夫か?」

「あぁ」

 浩輝と達之は立ち上がり、本を読んでいた木村達は二人がもう大丈夫だと気付いた様で、本棚に本をしまって浩輝達の元へ来た。

「もう大丈夫ですか安達君?」

「あぁ、……悪いこんな姿を見せてしまって……」

 浩輝は木村達の視界が入ってる中で泣いてしまったから、男が泣いてる姿を女性が見ていてから恥ずかしかった。

「辛い時は泣いても良いんですよ、男性も女性も関係ありませんから……」

 木村との会話が終わり、この場に居る反対派は図書館の出口へ向かった。


 外に出てレストランまで歩いていると長岡が浩輝に近寄ってきた。

「ん?長岡どうした?」

 浩輝達は立ち止まり長岡は自分の服のポケットから折り紙を出してくれた。

「エホンヨンデクレタオレイ、ユリチャン二オシエテモラッタノ」

 黄色の折り紙で花を作っていた。友里ちゃんが教えてくれたのか。

「くれるの?ありがとう」

 浩輝は長岡から折り紙を貰って鞄の中に入れる。

 レストランまで歩いて襲われる事なく着いた。


 店内に入り家族席から離れた席に上原が座って食べていた。

 浩輝達は家族席に座りそれぞれ食べたい物を注文し約一分で机の上に出てくる。

「いただきまーす」

 雅也の大きな声が響き食べ始める。食べている間いつの間にか上原はいなくなっていた。

 浩輝は思った。もしかしたら反対派かもしれないし賛成派かもしれなかったと。

 食べていると友里ちゃんが、

「お兄ちゃん達、食べ終わったら私のコテージに来てよ」

 昼食が終えたら友里ちゃんのコテージに行っても良いと言ってきた。……これは、ロリコンになるのか……?

「友里ちゃんが来て良いと言ってるのなら……」

 浩輝は少し迷ったが、午後の予定ができた。

 食べ終えてレストランの出口まで行き店内を出る。


「えっとね、こっち」

 友里ちゃんに案内されながら友里ちゃんのコテージに着いた。外見は浩輝のコテージと同じだった。

 友里ちゃんは制服のポケットから鍵を取り出し開けてコテージに入る。


「おじゃまします」

 浩輝達は靴を脱ぎ、

「お兄ちゃん達二階に上がっててー」

 友里ちゃんは冷蔵庫がある所に行き、浩輝達は二階へ上がる。

 部屋に入るとぬいぐるみがいくつかあり、女の子らしい部屋だった。人が多いから少しだけ部屋が狭く感じる。

 少し経って、友里ちゃんがおぼんにカルピスが入ってるコップを持って来てくれた。

「ありがとう、持って来てくれるなら俺も手伝ってたのに」

 達之が友里ちゃんに心配して言った。

「大丈夫、皆が来てくれたからおもてなし、したかったの」

 友里ちゃんは笑いながら喋る。

 持ってきてくれたカルピスが入ってるコップを自分の近くに置く。

 置いて、雅也は友里ちゃんのベッドでボヨンボヨンと寝転び始めた。

「雅也、友里ちゃんのベッドに勝手に転がってボヨンボヨンするのはいけないぞ……」

 浩輝は少し呆れて雅也に言う。

「ん、寝転がりたかった」

 雅也は少しだけ顔をしかめてからベッドから下り、浩輝達と同じ床に座る。

「それで友里、どうして俺達をコテージに誘ってくれたんだ?」

 達之が質問する。すると友里ちゃんは満面の笑みで、

「これ皆でやってほしいの!」

 友里ちゃんは自分の勉強机の棚からある物を取り出してきた。

「これは……、ぬりえ帳ですか?」

 木村が友里ちゃんが手に持ってるぬりえ帳に指を指す。

「うん、皆と一緒にやりたかったの、皆と……一緒にいた事を残しておきたいの」

 友里ちゃんは珍しく落ち着いて喋ってくれた。この先どんな事になってしまうか彼女は思っているのかもしれない。友里ちゃんはその間色エンピツ等を出す。

「……分かった、俺達の生きた証を残そう」

 達之の発言を聞いて浩輝達は作業を始める。


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