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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
22/65

22話 愁思

 大きな音がする、誰かが殴られて暴行を受けている、誰が誰を殴っているかまでは分からない、この映像? が流れ砂嵐が流れ、男が声を荒げながら別の誰かを殴って風呂場で水攻めしてる映像が流れて、浩輝は目を覚ます。

「……ハァ、誰なんだ?、映像みたいなのが流れたのは初めてだ……、二つの映像は別物だと思うが……」

 浩輝は上半身だけ上げて左手で頭を抱えて悩んだ。少し悩んだ後、布団をはがし常夜灯を消し一階に下りる。

 一階に下り脱衣所へ行き顔を洗う、タオルで拭きリビングへ戻る。

 トースターの所へ行き食パンを出し冷蔵庫のマーガリンを一枚の食パンに塗り、トースターで焼いていく。マーガリンをしまい二階へ上がる。

 寝室に行きクローゼットを開けて服を着替えパジャマを持ち脱衣所に向かう。

 洗濯機にパジャマを入れ鏡を見ながら髪を整える。

 脱衣所から出てトイレへ行く、終えて手を洗いタオルで手を拭く。

 タオルを持ちトイレから出て洗濯機に入れて棚のタオルを持ちトイレにタオルを掛ける。

 トースターの場所に戻り皿を用意し皿の上にパンをのせる。机の上に置き、今日は牛乳を飲むためコップに牛乳をいれ、机の上に置き椅子に座る。

「いただきます」

 牛乳を一口飲み食パンを食べ始める。普段は温かい紅茶を飲んでるが今日は冷たい牛乳を飲む。食パンと牛乳を交互で食べていく。

 食べ終え皿とコップを持ちキッチンへ行き洗って食洗機に置いておく。

 タオルで手を拭き、物入れの所へ行き掃除機を出し掃除する。

 一階をかけてコードを回収し掃除機を持ち二階へ上がる。

 寝室に着いてベッドの下をかけ床をかけて、一階に下り物入れにしまう。

 浩輝は洗面台に行き歯を磨く。終えてリビングへ戻る。

「まだ十一時になってないが、図書館行っとくか」

 二階へ行き日本刀と鞄を装備し、一階に下り電気を消し靴を履いて外に出る。


 鍵を閉めて図書館へ行く。目的地の図書館に着き自動ドアが開き入って行く。


 浩輝は二階の漫画フロアへ行く。もしかしたら雅也が居るかもしれないからだ。

 二階へ着いた結果、雅也が漫画を見ていた。雅也は浩輝に気がついた様だ。

「兄ちゃん!おはよう!」

 手を振りながらあいさつしてきた。

「あぁ、おはよう」

 浩輝は雅也が座ってる席の隣に行き、

「兄ちゃんも早くきたんだ、えっと何時に皆が来るんだっけ?」

「十一時」

 雅也は納得してくれた。まだ九時にもなってないから、浩輝は読みたい漫画の本棚へ歩いて行く。

 本棚を調べ本を手に持てる数持ち、近くにあった椅子に座りしばらく読んでいった。

 途中携帯で時間を気にしながら読んでいく。

 しばらく経ち、

「そろそろか?」

 漫画を本棚にしまう、雅也が読んでいた漫画は今回は床に散らばってなかった。

「ん?漫画の場所分かってたのか?」

「うん、何となくだけど」

 雅也は読んでた漫画を棚に一冊しまいながら喋る。

 棚にしまって二人で一階へ下りる。

 一階の絵本コーナーへ行くと友里ちゃん達が待っていた。

「ごめん、待たせた」

 浩輝は誤りながら友里ちゃんの元へ着く。

「ううん、さっき来たから」

 友里ちゃんは絵本を持ちながら話す。

 すると長岡が手に持ってた絵本を浩輝に渡して、

「コノホンヨンデ」

「え……」

 浩輝は椅子に座らされた。達之と木村も見ている中、絵本読み聞かせが始まった。

 反対派全員が浩輝の読み聞かせを聞く。友里ちゃんと雅也と長岡は目の前で体育座りをして、達之と木村は椅子に座って聞いていく。

「……おしまい」

 浩輝の読み聞かせが終わった、全員が拍手をしてくれた。

「よかったよ、お兄ちゃん!」

「アリガトウ」

 浩輝は長岡に絵本を返した。

「ふーぅ、疲れた……」

 浩輝は立ち上がり達之が近付いてきて、

「お疲れ、俺も楽しかったぞ」

 達之が笑いながら浩輝の背中を叩く。

「緊張した……」

 浩輝は力が抜け声が小さくなっている。

「もしかして、保育関係の勉強してたのか?」

 達之が質問してきたが、浩輝の表情は暗かった。

「安達?……どうした?」

 達之は浩輝の暗い表情に気付いた。

「俺って現実ではどんな奴だったのか分からないんだ……」

 浩輝は達之の顔を見ないで告白する。

「学校の人間関係すら、もしかしたら行ってなかったのかもしれない……」

 浩輝は喋り終えると、

「安達、俺を見ろ」

 浩輝は達之の言葉に反応し達之の顔を見る、達之の表情はとても柔らかく優しい口調で喋る。

「これも悩んでいた事なんだな。前にも言った通り俺はお前の味方だ、現実世界の事が覚えて無くても、お前がどんな奴だったとしても、俺とお前は戦友だ、大切な友達だ。

 あいつらからお前の記憶を返してもらおう。……俺は、お前と一緒にいて現実世界に戻りたい」

 浩輝は達之の言葉に心が温かくなり、

「ありがとう……達之……」

 木村達がこの場に居るにもかかわらず、うれし涙を流しながら膝から崩れ落ち、床に膝がついてしまう。

 達之がかがみ込んで少しの間、浩輝は達之の側でうれし泣きをした。

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