21話 別の意味のトラウマ
あのゲームセンター殺人未遂? 事件に巻き込まれた浩輝だが無事コテージに戻る事ができ夕食の時間までゴロンとベッドの上でPSをしていた。
「潜入~っと」
浩輝は楽しそうにゲームをしていた。安全な場所でセーブをして携帯の時間を見る。
「そろそろ行くか」
ポケットにしまい、PSを元の場所に戻し日本刀と鞄を装備し一階に下り靴を履いて外に出る。
鍵をかけてレストランへ向かう。達之達はもう来てるかもしれないと思いながら歩きレストランへ着き入っていく。
達之達が家族席に座って浩輝を待っていてくれた。
「先に食べてても良かったのに」
席に座ると、
「一緒に食った方が楽しいだろ?」
達之が笑顔で浩輝に喋る。
その間ゲーム反対派は注文していき約一分で注文品が机の上に出てきた。
「それじゃあ、いただきます」
それぞれ自分のペースで食べ始める。浩輝は口の中の食べ物が無くなってから今日の事件を喋る。
「全員……西岡に気をつけろ、ゲームセンターで襲われた、分銅鎖が武器だった、えっと動機は自分の夢を叶えるためだった」
木村は浩輝の発言を気にして質問する。
「夢……ですか?」
「あぁ、西岡は声優らしい自称だが、仕事を現実世界でできる様に俺を襲った」
達之は考えながら浩輝に問う。
「西岡はこの世界が仮想空間と気付いていたのか?」
「いや……、気付いてはいない様だった」
話を終え友里ちゃんが話してきた。
「明日図書館へ行かない?由貴子お姉ちゃんも一緒に」
長岡は友里ちゃんに微笑みながら頷く、この二人はいつの間にか仲良くなっていたみたいだ。
「いいよ、何時にしようか?」
友里ちゃんは少し悩んで、
「えーっと、十一時でいいかな、お昼ご飯は一緒に食べよう!」
明日の予定が決まった、浩輝達は食べ終えそれぞれレストランを出る。
木村達と別れ達之と夜道を歩いて行く。
「しかし、友里ちゃんと長岡いつの間にか仲良くなっていたな」
「まぁ同姓で年が近いもあるかもしれないな、懐いている様だったし」
達之と会話をして別れてコテージへ向かい、着いて鍵を開けてドアを開く。
電気を点け、二階に上がりパジャマとパンツを準備し日本刀と鞄を置いて一階に下りる。
脱衣所の棚にパジャマとパンツを置いて風呂を沸かす。
リビングに戻りテレビを点け明日の天気を見る。
「明日は曇りだけど雨は降らない……か、この世界別の意味で凄いな……」
日によって天気が違うのは現実では当たり前の事だが、仮想空間であるこの世界でも天気は変わる事に浩輝は少しだけ困惑する。
その間に沸いた様でテレビを消し脱衣所へ行く。服を脱ぎ風呂場に入る。
イスに洗面器でお湯をかけ体にもかけてから洗っていく。シャワーで流し髪を洗い流し洗顔してシャワーを流す。風呂に入りお湯に浸かる。
浸かりながら思った。
「ゲームセンターは楽しかった……けど、あれは正直怖かった、女性ってあんな風になるんだ……まぁ仮想空間で監禁状態で殺し合いを強いられてるからな……」
ため息を吐いてしばらく風呂に浸かっていた。
風呂場を出て棚にあるバスタオルを取り体と髪を拭く。
パジャマに着替え洗面台でドライヤーを使い髪を乾かす。乾かして歯磨きをしてから脱いだ服とバスタオルを入れて風呂の残り湯で洗濯する。
洗剤を一定量入れ蓋を閉じスイッチを押す。
脱衣所から出て二階へ上がる。
寝室に着き電気を点ける。浩輝はベッドに寝転がり携帯でネットを見てみる。
「動画サイトを見てみよう、仮想空間から動画投稿は出来ないけど、動画を見るのは可能だからな」
浩輝は好きなゲームプレイ投稿者の動画を見る。この人のゲームプレイは凄いからお気に入りだ。しばらくこの投稿者のプレイ動画を見ていった。
何本か見て眠くなってきたので動画を見るのを止め、常夜灯にして布団をかけるとケイとマイからのメールが入った。
[今日の犠牲者は0人です。お休みなさい]
今日は誰も死ななかったけど、明日はどうなるか、と思いながら浩輝は目をつむり眠る。