20話 ゲームセンター殺人未遂事件
一階に下りてまずお湯を沸かす、カップラーメンを準備し、ゴミを捨てて待つと沸いたのでお湯を注ぎ箸を準備し三分待つ。三分ボーッとしながら待ちふたを開ける。コップを用意し水を注いで机の上に置く。
「いただきます」
カップラーメンを食べ始め、水を少し飲む。カップラーメンを食べていき浩輝は、午後は出かけようと考えていた。
昼食を食べ終えカップとコップと箸を持ってカップはササッと水で洗って捨て、箸とコップを洗い食洗機に置いて手を拭いて二階に上がる。
日本刀と靴を装備し一階に下り、電気を消して靴を履いて外に出る。
鍵を閉めて歩いて行く。
「そういえばまだゲームセンター行ってなかったな、行こうか」
浩輝はゲームセンターに行く事にした。少し遠い道だったが、無事到着し入ってみる。
人は居ないがゲーセンらしくにぎやかな場所だった。歩いていき人が他にいないか見てみる。
「ゲームセンターは人がいてもおかしくないが、この世界では……」
浩輝は独り言を言いながら歩くとあるゲーム台に目が入った。
「ガンダムか……、このゲーム色んな機体で戦えるから楽しいんだよな」
浩輝は胸が軽くなり、このゲームをやってみる事にした。座ってお金を入れる所を見ると、
「もしかして……無料?」
お金を入れる部分が見当たらなかった、無料でゲームができるこの仮想空間ならではかもしれない。
好きな機体を選んで戦っていく。CPUはそこまでバカではなかったのがありがたい、誤射等無く戦う。
「このゲームもやって無かったから多少動きがなれない……」
CPUと協力して戦っていくとボス戦に入った。
「こいつか……いつ見ても大きいな……」
ボソリと呟き攻撃していく、大きな機体でビーム系の攻撃が多い、攻撃をかわしながら戦いしばらく経ってから倒す事ができた。
「はー疲れた」
浩輝は戦いで疲れたのでこのゲームをやめる事にする。ゲーム台から立ち他のゲームを見ていく。
プリクラがあるフロアへ行くと誰かがいる台があり台から出てきた。
「ん?西岡か、髪に赤っぽいリボンを一つつけてるから分かったが……」
浩輝は大きな声では喋ってはいなかったが、西岡が浩輝に気付いた様で近付いてきた。
「ん?何だ何だ!?」
西岡が浩輝の元へ着き話かけてきた。急な事でその場を立ちつくす。
「あなた……声優に興味ある?」
「……はい?」
西岡の発言に浩輝は戸惑う、初めて話す女性しかも年上からこんな事を言われて、何で? と思ってしまった。
「私はね、仕事で声優やってるのよ、誰かを殺して残っていき、この経験を糧にして行きたいのよ」
人を殺すを頭の中から外せよ、と心の中で呟く。
「だから……死ね!」
西岡は鞄から分銅鎖を取り出し浩輝に襲い掛かった。
「うおっ……危ないじゃないか!」
うまく避ける事ができ一歩下がる。浩輝は西岡に襲われない様に問う。
「何で殺人にこだわる?殺害すると殺人者となるぞ」
西岡は右手に分銅鎖を持ちながら答える。
「生きて仕事をするためよ、最後まで残りこの経験を利用する。私が悲劇のヒロインとして新しい仕事を貰うために!」
現実世界に戻る事ができたら声優の仕事を沢山貰う事が夢みたいな物か。人を殺して何が悲劇のヒロインだ、やっていくかもしれない行動に一方的じゃないか、そう心の中で呟く。
「これで話はおしまい」
西岡は再び分銅鎖で浩輝を攻撃する、分銅鎖を右手で振る、頭を狙ってきてるみたいだが、慣れてないか動きにすきが見える。
浩輝は装備している日本刀の刀を出さずに鞘のまま、西岡の腹部を狙って少し強く突いてみた。
「ぐっ……」
西岡は分銅鎖から手を離し分銅鎖は床に落ち、西岡はかがみこんだ。
動けなくなった西岡に浩輝は日本刀を元に戻しながら喋る。
「いいか、人殺しなんてするな、家族や声優の仲間が悲しむぞ」
少し達之の説教ぽく言ってしまった。
「……ガキが偉そうに……」
「子どもに説教されるあんたの方が情けないぞ」
悔しがる西岡をほっておいて浩輝はゲームセンターの出口へ向かい外に出る。
ゲーム参加者武器
西岡文恵:分銅鎖