2話 デス・ゲーム
「何故俺達が殺し合いをしなければならない?」
達之はケイとマイに質問をした。
『何故か?そういうゲームだからだ』
ケイはニヤニヤ笑っているかの様に答える。その間にマイが話す。
『ルールは簡単です、殺し合えばいいのです』
『一つ、一人が何人も殺しても良い、もちろん自分以外の全員皆殺しも可能です』
『二つ、衣食住は我々が保障します』
『三つ、食事などに我々が毒物を混ぜる事はありません』
『四つ、住居はそれぞれの場所が決まっていてオートロック式の建物です』
『五つ、住居で殺害するにはターゲットのカード式の鍵をするかターゲットが住居に入らせるしかありません、また玄関以外から入る事は可能です』
『六つ、武器は各自の住居に用意しています、殺害したら奪って使用する事もできます』
『七つ、皆さんの首輪は生きてる間は外れません。不潔かもしれないと思いますが、シャワー等で首は洗われるので清潔です。GPS付きで毒を流す事が出来るので無理矢理外さないように』
『八つ、生き残る事ができるのは二人までです。二人になったらこのゲームを終わらせる事が出来ます』
『最後に、ルールは追加されるかもしれません』
マイの説明が終わり、浩輝は不安でいっぱいになった。
「……嫌だ」
誰かの声が聞こえた。周りを見ると大杉直人が喋っている事が分かった。
「こんなゲームに参加するのは嫌だー!」
大杉は後ずさりをしホールの扉を開き、走ってしまった。
『大杉君ー、危ないよー』
マイがゆっくり落ち着いて話したが、奴には聞こえなかった様だ。
少し経つと大きな音が聞こえた。
『俺が行く』
ケイが大杉の後をたどって行く。周りがザワついてる間ケイが戻ってきた。
『大杉直人死亡確認、享年十七、死因階段から落ち転落死』
ケイが平然と話した。さっきまで生きてた奴が死んだので体が硬直してしまった。
『これで今回の話は終わりだ、住居は各自の携帯またはタブレットの地図で分かるので解散』
ケイが説明をしてケイとマイはいなくなった。
しばらく周りの人達は動かなかった。この現実を受け入れたくなかった。
このどんよりとした雰囲気を変えるかの様に達之は喋った。
「……全員地図に示された住居に行け。そして落ち着け」
達之の発言で周りの人達は周りをチラチラ見ながらもホールから出た。
「安達、少し待ってくれ」
達之が止めてきた、話したい事でもある様だ。
「安達、俺は殺し合いは反対だ、このふざけたゲームを止めさせたい」
達之の発言に表情が和らいだ。
「俺もだ、このゲームを止めるには俺達だけでは無理だと思う。だから少しでも協力者が必要だと思う」
浩輝の言葉に達之は落ち着いて呼吸をした。
「ありがとう、俺の携帯にメールアドレスと電話番号教えてくれ、連絡は取れる様にしたいからな」
浩輝と達之はお互いの連絡先を交換した。
「何か分かったりあったりしたら連絡する。外に出て住居に行こう」
浩輝と達之は一緒にホールから出て公民館を後にした。
外に出たが、やはりここに居る人間は浩輝達を含む十七人の様だ。
「俺が公民館に行くまでの間も人に逢わなかったな」
達之もカプセルホテルで目覚めたのは聞いたが、公民館までの道も浩輝と同じく誰とも会わなかったみたいだ。
「公民館までの道にコンビ二やレストランが在ったよな、その時も人は見かけなかったか?」
「あぁ、スーパーの他にも病院やゲームセンター等見たが人の気配は無かった」
会話をしながら歩いているとメールが入った。
[住居に入ると机の上にカード式の鍵が二枚あります]
恐らくあのケイとマイからのメールだった。歩いて建物が見えた。
「地図の場所はここだと思う、俺はもう少し先の様だ」
「気をつけろよ安達」
「あぁ、達之もな」
浩輝と達之は一端別れ、浩輝は住居の前に立つ。
外見は二階建てのコテージだった。
「……以外と立派な住居だな」
少しだけ関心して、ドアを開く。
住居に入り正面に二階に行ける階段が見え、小さな玄関で入った左下側に靴箱があり靴を入れる。スリッパ置きも近くにある事が分かる。
まずは一階を見回る、右を向くと小さなリビングだった。テレビや布団がかけられてないコタツが見えそこの部分には床暖房がある。
「机の上に鍵があるとメールにあったな、もしかしてこれの事か?」
コタツの上に二枚のカード式の鍵が有り入手する。
左を向くとキッチンが在り冷蔵庫等の電化製品がいっぱいあった。ここで料理する事もできるみたいだ。
キッチンを調べていると食器棚がありその中に食器があった。キッチンの引き出しを引くと調理器具があった。
キッチンを一通り調べ終えて、ドアが三つある場所が在り、リビング側は、物入れでストーブや掃除機、座布団と椅子があった。真ん中はトイレで洋式だった。
キッチン側のドアを開くと、脱衣所で洗濯機と洗面台、タオルがたくさん置かれている棚があった。浴室を見てみると風呂とシャワー、ボディーソープ等がある事を知る。
「一階はこれでいいかな、外は小さなベランダがあって机椅子があるけど二階を見なければ」
浩輝は階段の所まで行き、二階に上がる。
二階に着きドアを開く。この部屋の床はフローリングで電気カーペットでシングルベッドが一台ある。寝室はテレビがあり、ゲーム機本体とソフトが棚の中にあった。
PC本体、机と椅子もこの寝室にあった。
「まるで……、俺の部屋だ」
何故か浩輝の部屋に似ているので顎をかいた。
寝室のシングルベッドの上に何かがある、気になり持ってみた。
「これは……日本刀?打刀の様だ」
手に持ったのは日本刀で、これが武器の様だ。
『気に入ったかしら?』
後ろを向くとケイとマイがいた。背後に居たのでかなり驚いた。
「うおっ、お前ら何故ここに居る!?」
『武器の感想を聞いてみたかっただけよ』
これで殺し合いをする事に嫌悪感で一杯だ。
「……俺は殺人はしない、このゲームを止める」
達之の名は出さないようにケイとマイに強気な姿勢で話す。
『お前達が殺し合いをしないと言う事か面白い、しかしゲームには参加している。最終的に二人になるまでゲームは終わらない』
『そして、あなたはゲームに参加しているのには理由があるわ』
「理由……?おい!理由とは何だ!」
理由を問うが、
『いつか教えてあげるわ』
そう言ってケイとマイはいなくなった。
「くそっ、訳が分からん」
一人で悩んでいると携帯にメールが入った。
[安達、こっちも住居に着いて武器が二階のベッドの上にあった。武器は、拳銃ベレッタM九二FS、マガジンは予備を含め三個だった]
達之からのメールだった。メールを見て返事を作る。
[俺は日本刀だった。これからどうする?]
送信するとすぐに返事が来た。
[俺のコテージに来てくれ、後一様日本刀持って要った方がいいと思う。万が一襲われそうになっても対処できるかもしれないから]
返事を見て、コテージに行く準備をする。クローゼットの中には予備の服がたくさんあった。何故か俺がいつも使ってる鞄があり、鞄を肩にかける。
日本刀を装備して一階に下り靴箱の靴を履き外に出て鍵を掛け達之のコテージへ急ぐ。
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