19話 記憶
「痛い!止めてよ止めてよ!」
何故か友里ちゃんの悲鳴が聞こえた。何が起こっているかまでは分からない。
「……はっ……」
浩輝はガバッと上半身を起こし目を覚ました。
「……俺が見た夢は何なんだ?忠告か何かか……?」
布団をはがし、常夜灯を消し一階に下りる。
一階に下り脱衣所へ行き顔を洗う、タオルで拭きリビングへ戻る。
トースターの所に行き食パンを出し冷蔵庫のマーガリンを一枚の食パンに塗りトースターで焼いていく。マーガリンをしまい二階へ上がる。
寝室に行きクローゼットを開けて服を着替えパジャマを持ち脱衣所に向かう。
洗濯機にパジャマを入れ鏡を見ながら髪を整える。
脱衣所から出てトイレへ行く、終え手を洗いタオルで手を拭く。
タオルを持ちトイレから出て洗濯機に入れて棚のタオルを持ちトイレにタオルを掛ける。
トースターの場所に戻り皿を用意し皿の上にパンをのせる、机の上に置き、紅茶を作る。お湯を沸かししばらく待つ。お湯が沸き、紅茶をマグカップに入れお湯を入れる、スプーンで混ぜて机の上に置き椅子に座る。
「いただきます」
紅茶を一口飲み食パンを食べ始める。喉が渇いていたから紅茶が無くなった。
マグカップを持ちササッと洗い冷蔵庫から牛乳を出しマグカップに入れ冷蔵庫を閉じ机の上に置いて、食パンを食べていく。
食べ終え皿とマグカップを持ち洗うためキッチンへ行く。皿マグカップスプーンを洗い食洗機に置いとく。
タオルで手を拭き物入れの所へ行き掃除機を出し掃除する。
一階をかけてコードを回収し掃除機を持ち二階へ上がる。
寝室に着いてベッドの下をかけ床をかけて一階に下り物入れにしまう。
浩輝は洗面台へ行き洗顔と歯を磨く。終えて二階へ行き日本刀と鞄を装備し一階に下り、電気を消し靴を履いて外に出る。
鍵を閉めてスーパーへ行く。誰にも襲われる事無く着き店内に入る。
カゴを一つ持ちウロウロしていく。カップラーメンが売られてるフロアへ行き三個種類が違うラーメンをカゴに入れる。
カゴを持ちレジへ行き袋を手にし袋にまとめる。
食品をまとめた袋を持ちながらカゴを戻しスーパーを出る。
外に出て自分のコテージへ戻っていき、着き鍵を開けドアを開く。
靴を脱ぎ電気を点け、カップラーメンをキッチンに置いて二階へ上がる。
寝室へ行き日本刀と鞄を床に置きPCデスクにある袋から飴を取り出しなめる。
浩輝は飴をなめながらPCの電源をつける。
口の中の飴が無くなりPCのパスワード入力画面になり入力する。ようこそと出てパソコンを始める。
「……現実の俺達は行方不明なのか?」
行方不明者と検索してみた。行方不明者の名前が出ている場所に入ってみた。多数の名前、写真が出てきてきりが無い。
「まぁ出てこないよりましか……」
浩輝は名前を片っ端から調べていく。元々この国は失踪者等は捜索届けを出されていない人間も沢山いる、浩輝達の名前が無い可能性もあるが結果は……。
「……無かった」
浩輝達の名前が無かったので肩をおとしガックリする。
「……行方不明ではないなら俺達は何なんだ?」
浩輝は落ち着けなかった、現実世界ではどうなっているかも分からない、両親はどうしているのか、学校は……ん? 学校?
「……俺、大学生……だよな?」
一瞬おかしくなった、浩輝は十九歳大学に行ってる年齢である、しかし友人関係等は思い出せなかった。 頭をかかえ、
「……え、え?思い出せない……、俺どんな奴だったんだ?」
パソコンの画面を見ながら自問自答をブツブツ繰り返す。
『なかなか面白くなってきましたね』
椅子に座りながらクルリと後ろを向くとベッドの上にケイとマイがいた。
「……?」
浩輝はマイの発言に理解できなかった。悩んでいるとケイが喋り始める。
『お前達はこの世界に来て現実ではどうなってるか分からない、お前の考えている事は本当に真実なのか?』
ケイの発言で浩輝は頭がクラクラする、浩輝は頭を下げてケイとマイから一端視線を外し、
「……せ」
『ん?聞こえんな?』
浩輝は椅子から立ち上がりケイとマイのいるベッドの上まで行き、
「返せよ!記憶を返せ!」
根拠は無かったが浩輝は記憶を奪われていると考えた。怒りに身を任せる。
『私達が記憶を奪った……、それがあなたの今の答えね』
マイの言葉に浩輝は少しだけ落ち着きを取り戻した。
『ゲームの中で答えは見つかるかも知れないし、終わりまで見つけれないかも知れないな』
ケイの発言を最後にケイとマイはいなくなった。
浩輝はPCの椅子に戻って座り、ため息をつく。
「ハァ……ハァ……根拠が無かったのにあんな事を言ってしまった……、若干暴走してたな俺……」
浩輝は完全に落ち着いてPCをまた始める。
仮想空間と検索してみた。VRは俺達みたいなゲームが好きな人達に色んなジャンルのゲームをできる様になっている、さすがに俺は装置を持ってはいないが。昔VRを体験できるイベントへ行った事がある、少し酔ってしまったが、この世界では吐き気等は感じない。庶民のVRとは別物なのか?
「……この仮想空間の事は分からないな……」
浩輝はパソコンをシャットダウンをする。立ち上がり携帯を見る。
「そろそろ昼食作るか」
携帯をポケットにしまい一階に下りる。