13話 ゲームとデス・ゲーム
達之と本を読んでいると野村さんが浩輝達の元へ来た。
「そろそろ夕食食べに行かないかい?」
達之は本を閉じて本棚にしまいながら
「一緒に行きましょうか、友里達は?」
「彼女達は木村さんとレストランへ行って待ってるよ」
達之は少しホッとして
「じゃあ行こうか安達」
浩輝は本棚に本をしまってゆっくり立ち上がり図書館を出る。
浩輝達はレストランまで歩いて行く。すると野村さんが喋り始める。
「今回もこの世界の事については分からなかったよ……」
少し声が小さかった。悔しがってる事が少し分かる。
「でも、ここが仮想空間だと言う事は分かったので、ここからですよ」
達之は野村さんをフォローして、レストランまで一緒に向かう。
レストランへ着き店内に入る。
店内の席に木村達が座って待ってくれていた。
「あ、待ってましたよ」
木村が浩輝達に気付いて、友里ちゃんが手を振ってくれた。
浩輝達は席に座ってふと浩輝は思った。
「雅也は来てないのか?」
「えぇ、今日は家で食べるとメールが来たのでたぶん大丈夫ですよ」
浩輝は携帯を見るとメールが入っていた事を知る。
[兄ちゃん、家で夕食食べるから]
浩輝は安心してメニュー表を手に取って見ていく。
浩輝は長崎ちゃんぽん、達之は豚丼、野村さんはチキンステーキ、木村はカニとチーズのクリームパスタ、友里ちゃんはおこさまグラタン、長岡はおこさまパンケーキを注文して約一分で机の上に出てきた。
「いただきます」
全員で自分のペースで食事を始める。今回は何故か皆静かに食べていく。
長岡と友里ちゃんが食べ終え店を出た。野村さんが食べ終えて店を出る。
「ではお先に失礼します」
「あぁ気をつけてくれ」
浩輝はそう喋って木村はお辞儀をして店を出る。
浩輝と達之も食べ終えて店を出る。
二人で自分のコテージへの道を帰って行く。達之が喋る。
「GTAでも遊ぶか?オンラインで」
「強盗でもするか?暴れてやろうか」
浩輝と達之はまるで悪友みたいに笑って喋る。
達之と別れコテージへ向かいコテージに着き、鍵を開く。
電気を点け、二階に上がりパジャマとパンツを準備して日本刀と鞄を置いて一階に下りる。
脱衣所の棚にパジャマとパンツを置いて服を脱ぐ。
シャワーで椅子にお湯をかけて体にシャワーかける、タオルを濡らしてゴシゴシ洗いシャワーで洗い流す。髪を濡らしシャンプーで洗う。洗い終わって洗顔してシャワーを流す。
風呂場を出て棚にあるバスタオルを取り体と髪を拭く。
パジャマに着替え洗面台でドライヤーを使い髪を乾かす。乾かしてから歯磨きをする、脱いだ服とバスタオルを入れて蛇口をひねって水を溜めていき、洗剤を一定量入れて蓋を閉じスイッチを押す。
リビングに戻り電気を消して二階へ上がる。
寝室の電気を点けPCに電源を入れ立ち上げる。
パスワード九六四二と入力し準備ができた。ヘッドホンを引き出しから出し装着しGTAをプレイしていく。
オンラインに入り達之を待つ。八時五十分になり達之がやって来た。
「安達待たせたな」
「おう待ってたぞ」
達之とゲームの中だが合流できて嬉しかった。アバターでも偶然か浩輝達の服装は少し似ていた。浩輝はスタジャンを着て、達之はジャージ姿だった。
「偶然か?俺達の服装が似てる」
「凄い偶然だな安達」
達之は嬉しそうに喋っているのが聞こえた。
「じゃあ強盗しようか報酬はノーマルでいいか?」
「いいぞ、暴れてやるぜ達之」
達之は冷静に浩輝は甲高い声で笑いながら喋る。
達之と強盗して行く。……ゲーム内では人を殺害していってる、影山がこの世界で人を殺していった、ゲームでは容赦なく殺していく事ができるがこの世界で人を殺す事はやはりできない、俺はおかしいのか? ゲームでは殺害できるがこのデス・ゲームでは殺害する事はできない……。
「安達!ナイスアシスト!」
「おう!」
考えながら強盗をクリアしていった。考えながらした割には集中できていた。
「よし、クリア。次は何しようか」
浩輝は少し考えてから喋る。
「山のぼりしてみないか?冒険してみよう二人で」
達之の笑い声が聞こえた、どうしたんだろう?
「了解、自転車で上ってみよう」
浩輝は達之と自転車で山のぼりを始める。二人で自転車で上って途中浩輝がこけた。
「安達!大丈夫か?」
「あぁ、少しビビッたけど……」
浩輝は自転車に再び乗って達之と登っていく。時間が経って山の頂上に到着した。
「ふー疲れたー」
「でもきれいだぞー景色が。安達、本当の世界に帰る事ができたなら、一緒にいろんなゲームをしたいな」
達之がわりと前向きな感じで話した。
「あぁそうだな……」
浩輝は小声でそうあって欲しいと思うように喋った。
オンラインを終わらせる事にした。
「じゃあお休み、明日俺のコテージでMGSしないか?」
「いいぞ、PS持って来るから待っててくれ安達。お休み」
オンラインを終了しPCを終わらせる。
「寝るか、あ、明日の何時か言うの忘れてた。メールで明日言うか」
椅子から下りて常夜灯にしてベッドに入る。
メールが入った。ケイとマイからのメールだった。
[今日の犠牲者は0人です。お休みなさい]
メールを見て少しだけ安心して胸が軽くなった。
「今日は誰も死ななかったけど、明日はどうなってしまうのか……」
浩輝は身震いをして、目をつむり眠る。