10話 現実とは……?
二人でコテージへの道を帰っていると達之が喋る。
「安達、もしかして木村に好意があるのか?」
達之の発言に図星されて少し顔が赤くなってた。
「え……っと、木村はかわいいけど……」
少し声が震える、恥ずかしかったまさか達之に気付かれるとは……。
「なに恥ずかしがらなくても良いぞ、あの応急処置の時二人共良い感じだったからな」
達之と雅也が同じ場所にいたとは言えあの時は二人だけの世界みたいだった。
「……」
浩輝は静かなまま達之と別れて自分のコテージへ戻る。
コテージに着き、鍵を開けてドアを開く。
電気をつけ、二階に上がりパジャマとパンツを準備して日本刀と鞄を置いて一階に下りる。
脱衣場の棚にパジャマとパンツを置いて風呂を沸かす。
沸かしてる間寝室へ行きゲームをする。ゲームをしていると風呂が沸いたので一階に下りて脱衣場に行き服を脱ぐ。
風呂場にあるイスに洗面器でお湯をかけて、体にお湯をかけて体を洗うタオルでゴシゴシ洗いシャワーで洗い流す。髪を濡らしシャンプーで洗う。洗い終わって洗顔して、シャワーを流す。風呂に入ってお湯に浸かる。
しばらく浸かってから風呂場を出る。棚にあるバスタオルを取り体と髪を拭く。
パジャマに着替え洗面台でドライヤーを使い髪を乾かす。乾かしてから歯磨きをしてから脱いだ服とバスタオルを入れて風呂の残り湯を使用し洗剤を一定量入れて蓋を閉じスイッチを押す。
リビングに戻りテレビをつけてみる。意外にもニュースやバラエティーとテレビはちゃんと見れる、番組表ボタンを押してみると時刻は分かるが日付は分からなかった。
「何でテレビも日付は出てこないんだ……」
浩輝はため息を吐きながらツッコミを入れる。
「まぁテレビは見れるしニュースを見てみるか、もしかしたら俺達が何処にいるのか手がかりが分かるかも知れないからな」
浩輝はニュースを見てみる。ニュースでは明日からの天気予報が流れ明日は曇りという事を知る。しかし大きな手がかりは流れなかった。
「……やはり図書館を調べていかないと駄目なのか?」
テレビを消してリビングの電気を消し二階に上がる。
寝室に着き電気を点けると携帯からメールが入った。
「ん?雅也からだ、なになに……」
[兄ちゃん、言い忘れてたけど、俺の武器金属バットだから、あいつら俺が野球好きを知っててこの武器なのか(怒りマーク)]
メールの内容は雅也の武器は金属バットという事だったが絵文字が入っていてかなり怒ってるみたいだった。
「雅也の着てた服、バットとボールがあったから野球好きなのは何となく予想できていたが……」
浩輝は雅也にメールの返事を返した。
[気にするな、雅也はバットで人殺しなんてしたくないだろ]
とりあえず雅也を慰めるメールを送った。
しばらく経つとメールが来た。
[ありがとう、俺あいつらに負けない!]
雅也の機嫌が良くなったみたいで良かった。
携帯の時刻を見て八時四十分だった。
「今日は少しあったからな、夕食前の事が特に……」
左手のかすり傷を見ながら呟いた。木村が処置してくれたおかげで止血できてかすり傷程度だったから生活に支障は今の所無い。
「あの引き出しにある雑誌や本棚の本を読もうか」
引き出しの鍵を小さい引き出しから出して雑誌の入ってる引き出しの鍵を開けて引く。
雑誌を取り出し見ていく。文章を見ながらこのゲームの事について分かるページは無いか調べる、この雑誌はゲーム製作者の事が書かれてるから手がかりがあるのかもしれない。
「やはり、分からないな……」
浩輝は野村さんの発言を少し思い出した。
「ここは現実ではないかも知れない……?もしかして……」
少しだけ怪しい事が浮かび上がった。
「いや、でも確定した訳ではない、ケイとマイの俺達がゲームに参加してるのには理由があると言っていた……」
一人だけで謎を考えていくが正解は出てこない。
ため息を吐きながら浩輝は雑誌をしまって鍵を掛ける。本棚の本を色々と手に取ってベッドで見ていく。
時間が分からなくなる程本棚の本を見ていったが手がかりは出なかった。
浩輝は携帯の時間を見る。十時超えていた。
「そろそろ寝るか……」
本棚に本をしまって常夜灯にしてベッドに入る。
メールが入った。ケイとマイからのメールだった。
[今日の犠牲者は有島花子さんと山藤豊さんです。お休みなさい]
このゲームで死んだ二人の名前が送られてきた。
「他の人達はどう思っているのだろうか……」
ボソリと呟いて目をつむり眠る。
ゲーム参加者武器情報
殺害された山藤豊の短機関銃は参加者の誰かが所持している。