表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短歌(失恋)

作者: quiet




どんどんと綺麗になっていく部屋で わかった昔のあなたは汚物




残された歯ブラシ持って 怨念と 排水溝をたっぷり磨く




アルバムを古い順からめくってみれば なるほど今のわたしはブスだ




世界でも百枚だけのCDを鳥よけにしてベランダに干す




東京と名を見るだけで腹が立つ 何が東だ 地球は丸い




地球儀のどこでもいいから指さして そこで死んでるお前を夢見る




ダメですか いっそ殺してしまうのは はあそうですか じゃあ呪います




冷蔵庫の中にあなたが冷えている 死んだ魚も眠らない夜




ラララララ ラララララララ ラララララ ラララララララ 今日は一人だ




欠けていくだけの心に思えても 底を着いたらまた溢る夜




目覚ましのアラーム音に起こされて 思ったよりもきみが恋しい




行かないでとか言えたらな だけどほらわたし話がわかるタイプで




めでたしで終わるくらいの人生で 硝子の靴もいらなかったのに




「海に行け 死にたくなったら 海に行け」 声が焼きつく 海には行けない




「山行こう 特に雪山 マジでいい」 ごめんそんなに思い詰めてない




Спасибо あなたの使った外国語 インターネットで今調べてる




犬動画ばかり見てますどちらかと言えば私も犬だったから




スーパーマーケットにご飯を買いに 飛べない鳥に明日はないのだ




古い夢覚めたら誰もいなくなる 解放感とゆるい喪失




何もかも嘘ばっかりね もう君がいないというのに月は綺麗で




大好きな茄子を買ってまな板に 置いて気付いたレシピを知らない




蝶々からむしった小さな翅とかを写真の君の身体に添える




はよ止まれ 焦るも直行 思い出の街 間違えた快速列車




朝ぼらけってなんだったっけ たぶんわたしに一生来ないやつだな




いつもより可愛い顔だ 鏡越し 幸せそうかはまた別だけど




「よかったじゃん」言われるたびに思うけど もっと早くに言ってくれても




ばかでした そうだね わたしばかでした でもいいばかだったと思います




ないものをねだってばかり 記念日と永遠の愛 小さな指環




はてしない道を行くのにわたしでは重すぎました? なんかさびしい




ダメなとこ、いっぱいあったの知ってます でもそれだけじゃなかったですよね?




天国と地獄が死後にあるのなら、あなたのいない方に行きたい




もし仮にタイムトラベルしたとして 次の私も今日は孤独だ




届かない手紙を書いたりしようかな 字が下手だからやっぱやめるね




「待ってる」と、言わないわたしはきっといい人 でも待ってます まだずっと




とめどない昨日ばかりが巡ります ずっとこのまま続けばいいな




落雷に怯える人がいないから 晴れも嵐も変わらない凪




雨宿りする間に終われ 今日という日とかそれから長い夢とか




ファストパス持ってた君がいないから 何をするにも誰かの後ろ




ふたりとも一度もなかった風邪なんか 今になって引く 今になって引く




カップめんばかり食べてる日々だけど よく考えたらこれは前から




アルバムはこの日捨てない方がいい 燃やされたらまた燃えてしまうし




いやだなあ ずっと一緒にいるなんて ちゃんとわかって騙されてたよ




百円で買ったアロマの捨て方がわからないから尽きるのを待つ




あまりにも長く暇人してたから 映画の見方も忘れてしまった




何もかもわからないことばかりです 寂しくないなら好きじゃなかった?




洗い物してるわたしの指先に あなたの残したぬくもりはない




巡り行く街角のどこにもきみの面影はない もう行かなくちゃ




別れ際 口をついたのグッド・バイ だからねきっと これでよかった




いつかまたあなたのことを思い出す そんなわたしで生きていきます




星降る夜 きみと名付けた流れ星 空に消えたらまた行きましょう





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ