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狼之肛門 肛門解放 5

 ぼくは捕獲した金髪処女少女をどうしようか考えた。

 そうしている間にも、処女少女は腕をスーパーサイヤ人のように光らせて暴れる。なんだが知らないが、この光ってるヤツのせいで、少女は細腕なのに、めっちゃすごいパワー出していた。

「おい、そのシャイニング・フィンガーみたいの、ずるいぞ」

「うるさい、死ね!」

 ……死ねって。捕虜の癖に。

「おい、淫獣。この光ってるのどうすれば止められるの? いい加減にしないとこいつの腕を磨り潰しちゃうぞ」

「淫獣じゃない……アラン。アラン・ド・ローンだ」

 オコジョが名乗る。

「ぼくは八木(やつぎ)くんというものだ。トロール様と呼んでいいぞ」

「心配しなくても、ほうっておけばそのうちエネジンが切れるさ。もともと錬金術師は接近戦に……いや、そもそも戦いそのものに向いてないんだ。装備もないし、なるべく近づいていれば、派手な攻撃は出来ないよ。なんなら金枝に触れていればいい」

「きさま、どちらの味方だ!」

 パスカルが非難の眼を向けるが、アランは自業自得という顔をしている。実際、パスカルが呆とせず、しっかりしていたなら、形勢はもうすこし変わっていたかも知れない。

 たしかに、光っている部分に触っていると、ぽかぽか温かく、こちらもパワーが溢れてくる。ピリピリと電気刺激が心地よい。

 ぼくは金棒で石床を叩いてヴォルフガングに活を入れた。

「おい、そこのお漏らし中年。死にたくなかったら、ちょっと捕縛用のロープ持ってこい。……逃げたら、手足の指を全部切り落として、サイコロステーキにして、目の前で醤油かけて食べちゃうぞ」

「は、はひっ!」

 言っていることはよくわからないだろうが、不穏な感じは十分伝わったらしく、ヴォルフガングは慌ててロープを取りに行った。

「アラン、ここの兵は残り何人ぐらいいる?」

「さあ……でも、あらかたあんたが殺したし、もう三、四人ってとこじゃないか」

 ヴォルフガングが戻ると、ぼくはロープで処女少女……パスカルちゃんというらしい……をキラキラ模様でイタズラ出来ないように……そしてぼくが思う存分、イタズラ出来るように……手首を縛り、足もM字型に縛って固定、そのまま自分の腹部に縛り付けた。本当は向かい合わせの駅弁スタイルにしたかったが、それはあとの楽しみにとっておき、背中に密着する感じに配置する。タイタニック・スタイルだ。縛った腕は背後のぼくの首に回して、小さいおっぱいと脇を強調してあげる親切形態だ。

 パスカルちゃんは縛ったり固定する間、「やめろ!」「ぶっころす!」「ふざけるな!」と暴れたが、その声さえもむしろご褒美だった。この恥辱の体位にも、「殺せえええええ!」と叫んで、舌を噛んで死のうとしたので……本当は脱がしたパンティーを突っ込んだりとか、もっと楽しいことをしたかったが……時間がないので、仕方なく猿ぐつわに止めた。首を振りしだき、むーむーむーむー鳴く声がかわいらしい。

 楽しそうに少女を愛でるぼくを、ヴォルフガングが狂人を見る目で見ていたが、職権乱用し、自分好みの美少年を集めて、けつあ〜なをほりほ〜りしていたと噂の男に、そんな眼を向けられるのは誠に心外で、ちょっと殺したくなった。

「おい、馬車を用意しろ。そして金と金目の物と旅支度を積め」

「は、はひ」

 ぼくはヴォルフガングと残りの兵士に指示し、旅立ちの準備を監督した。

 アランにはシャロンを呼びにいかせる。

 ……本当ならいますぐに、眼と鼻の先にある、パスカルちゃんの頬や耳やうなじにれろれーろ舌を這わせて、べろんべろんべろんべろん、唾液でぐしゃぐしゃになるまでなめまくりたかったが、時間がない。いまは、漂うせっけんと、うっすらとした雌の甘酸っぱさと、汗の混じった少女の芳香を、トロールノーズでくんかくんか嗅ぐに止めておく。ぴくぴくとパスカルちゃんが反応していた。

「馬車の準備、出来ました!」

 ヴォルフガングがハキハキ言った。いかにも貴族が乗りそうな驕奢な馬車を、急ごしらえながらも、最低限の装飾にし、旅用実用馬車に仕様変更した。

「よし。……ちょっと聞きたいんだけど」

「はい」

「おまえらここで殺した人間の死体どうしてたの?」

 ヴォルフガングは、谷底に捨てていると言った。

 ぼくは残った兵士と、ヴォルフガングを、死体捨て口に案内させた。崖に面した回廊に出て行く。気に食わなかった通行人は、この回廊からそのまま放り投げていたのだそうだ。殺して死体にして。時には、そのまま。

 ぼくはそこから外を見た。空は相変わらず青く、切り立った峡谷は峻厳として美しい。ここに、こいつらは人間を捨てていたと言う。その中には年寄りもいたろう。子どもいたろう。若い夫婦もいたかもしれない。この男色オヤジに掘られ過ぎて、けつあ〜なが、ゆるゆ〜るになってしまった美少年や、年を取って好みじゃなくなった美少年や、反抗して殺された美少年もいたかも知れない。

 それを思うと、なにか悲しい気持ちになった。ぼくの前世の世界だったら、産まれたときから超絶勝ち組で、女子達からちやほやされ、いともたやすく恋愛やエロいことをしまくり、面接もイケメンスマイルで余裕で通過、場合によってはぼくのような萌えオタを「きめぇなw」「死ねよw」などといじめていたかもしれないリア充美少年達が、この世界では気持ち悪いおっさんに気に入られ、尻穴雌奴(けつめど)にされて、挙げ句、いらなくなったらポイされてたという。

 これが諸行無常でなくてなんなんだろう。

「ラーメン」

 ぼくは、殺されたいった人々にせめて安らかに、死後の平穏があるように、という気持ちと、前世でリア充として支配会階級として君臨したかもしれない美少年達が、この世界では無残に殺されてしまったけれど、ぼくはきみたちの分まで、おいしいもの……ラーメンとか……を食べてこれからも生きて行きますよ、という気持ちを込めて、ラーメンを啜るポーズをして黙祷とした。

 それから、生き残りの兵達に向き直り、

「この砦は、ヒグマに襲われた」

 そう宣言した。

「いいね? 錬金術師パスカルもヴォルフガング代官も殺された兵達も、みんなヒグマに食われて死んだ。もし中央から役人とか、審問官とか、そういう人達が現状を見て『どーなってるの? この砦は? どーなっつ!』とかいうようなことを聞いてきたら『ヒグマがヒグマがどーなっつ!』と意味不明な感じで答えるんだ。そうすれば、向こうもきっと、君たちがあまりの出来事に、良い感じに混乱してるということを理解してくれるだろう。任務失敗の怒りの叱責の代わりに、優しく長めの休暇をくれるかもしれない」

 ぼくは、金棒を振って、ヴォルフガングの両足を砕いた。

 痛みにヴォルフガングは絶叫を上げ、床を元気にのたうちまわる。

「もし、本当のことを話したら君たちがどうなってしまうのか? ……それを、これからヴォルフガング代官の身体を使って実演する」


 ぼくは馬にまたがり、馬車の方はシャロンとアランに任せて、砦を後にした。

 ……あの兵士達、ちゃんとヒグマがやったと言うだろうか。もっと痛み付けて恐怖を味わせたほうが良かったんじゃないか。追っ手とか大丈夫だろうか……それらの疑問は、これからパスカルちゃんをどう使って楽しもうか、という事に比べれば、まったく些末な問題だった。

 興奮で荒くなるぼくの息遣いと生臭い息を耳元とうなじに感じ、パスカルちゃんはびくりびくりと反応して、なんとか逃れようとぼくの腹の上で暴れまくる……それが余計にぼくの息遣いを荒くして、とても美しい好循環を成していた。

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