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聖女の苦手なもの  *ナイスミドル編

私は聖女様と商会の交渉役を任されています。

正式には商会が人材を派遣しているという形ですが。

ちなみに聖女様が聖女様だということは商会には秘密です。

というより守秘義務で話すことはできません。

商会の認識としてはすごい金持ちというぐらいでしょうか?


その聖女様ですが毎回毎回会うごとに姿を変えています。

本人いわく変装らしいのですがおそらく私が見破れるのかと遊んでいるふしがあります。


まあ待ち合わせ場所の喫茶エリーゼはだいたい一人で入っている客はいない(カップルか親子連ればかり)からすぐにわかるので大丈夫なのですけど。


ところで聖女様は人見知りか人が怖いのかどちらかだと思います。

私と初めて会ったときは私に対してびくびくしていました。

聖女様はそれこそ視線ひとつで私を殺せるはずなのですが変わったお人です。





今回のオークションでは大物を手に入れることができました。

ダンジョンコアです。しかも三百層クラスの。

さすがにこれは聖女様も輸送をほかの護衛に任せるつもりがないのか、

自分でとりに行くということになりました。

大丈夫でしょうか。

聖女様は人が苦手だというのに。


王都に入ったら予想通り聖女様は尻込みしておりました。

聖女様は隠しているつもりらしいので私から手を差し出すことはできません。

どうしようかと迷っていると聖女様の方から

「ナイスミドル、こういう場合は男性がエスコートするべきよね。」

と言ってくれました。

なので私はすかさず手を出してエスコートしました。





そう言えば私が聖女様が聖女様だとあかされたときも手を握りましたね。

あの時は握手でしたが。

あれは聖女様の交渉役について一か月ぐらいたったころでした。


「ねえ、あなたって確か私の正体については守秘義務があったわよね。」

「はいその通りです。」

おもに貴族の人たちが公にはしにくい物を手に入れるときのためですが。

「じゃあ私の正体明かすわよー。」

「いえ、別に明かす必要はないのですよ。」

「明かしたいから明かすのっ!」

ちなみにこの時の聖女様の姿は深層のご令嬢っと言う感じでしたが言葉遣いが壊れています。

「ではお教えお願いしますか?」

「よーくきいてね。私って実は聖女なの。」

「ふむ、面白い冗談ですね。」

私がこういったのも無理はないでしょう。

毎回変装してくるとはいえ普通の女の子にしか見えないのですから。

「ほんとだって。」

「そうですね。本当ですよね。」

とこの日は流してしまったのです。


まあその後いろいろあって聖女様ってわかったのですけどその時は本当にあせりました。


まあそんなこんなで聖女様と私は知り合いになったのです。






閑話休題

そう言えば今の聖女様のは元気っ子って感じなのですが、

令嬢のような振る舞いをしていて少しミスマッチです。

まあ、庶民のとこに隠れて遊びに来たご令嬢って感じなので大丈夫ですが。


おっとそんなことを思い出していたら少し会話に間ができてしまいました。

「御嬢さん、もう少しで商会ですよ。」

とりあえず普通に会話をして間をつないでおきました。


その後は何事もなく商会につきました。



聖女様が人見知りか人が怖いとナイスミドルは見破っているのですが、

それはナイスミドルがすごいだけで普通の人は見破れません。


聖女様の人が怖いということの隠しかたは普段の自分をトレースしてその動きを一部の狂いもなく体で再現するという無駄に高度なものですから。

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