とある嘘つきの少年
嘘をつくことに躊躇いはなかった。
知られたく秘密があるがために、偽物の自分を作り出して真実から遠ざけてきた。
その真実は、自分の大切な人にとっては絶対に知らされたくないことだから。
でも、嘘をつくことよりも簡単に真実から反らす方法があった。でもそれを実践する勇気はどこにもなかった。
例え偽りで塗り潰した日常であっても、それは宝物であることには間違いないのだから。
だが、その日常が崩壊する。他の誰でもない自分の手で。
嘘をつき続けたことで濡れ衣を着せられても、それを訂正するつもりもない。
だって今のこの残酷な世界は、ある意味一番に望んだ世界なのだから。
さあ、この世界に別れを告げよう──。
今度生まれ変わるときは嘘で穢れた黒い翼ではなく、真っ白な翼を広げてキミに会いに行くから。
実は本編に関わる伏線を張ってます