8月の留守番電話
頑張ったんだ。
頑張ってみた。
ただ、
届かなかっただけ。
何もこんな時代にさ、公衆電話使わなくたっていいじゃない。
声を聞けばわかるのに。
着歴が残るのも嫌になったのかな。
蝉だけが、煩く鳴いて。
会わなくなってどのくらい?
二人離れてどれくらい?
会わなければよかったのかな
なんてありきたりなフレーズ
それでも思ってしまう
ありきたりなシチュエーション
君と会わなければ
誰と会ってた?
君と笑わなければ
誰と泣いてた?
君と歩かなければ
誰と座ってた?
君が恋しいと
泣くほど忘れる現実
君が傍にと
願わなくなった現実
足を踏み出す
どれが現実か曖昧なまま
確かなことは、君はもういないってこと。