ラレンヌ
フィオーレ王国の頂点に君臨する女王。年は騎士団員と同じく25。
黒い髪を一つに束ねている。肌は白く、絶世の美女である。
その美貌で虜になった男は数知れず。ただしそれらは全てアキハが圧力をかけて牽制している。
基本的に笑みを絶やすことはなく、怒ることも少ない。しかし一旦怒りだすと誰よりも恐ろしいのだとか。
穏やかで慈悲深い性格。国民にも同等に接してもらいたいと願い、基本的に城は一部を除き立ち入り自由にするよう指示した。
イベント等には必ずと言っていいほど参加している。その為か国民の信頼は厚く、その若さながら国の治安の良さは彼女の人徳によるものだと噂されている。
本名は結構長い。なので彼女自身も色々省いて【ラレンヌ=フィオーレ】とだけ名乗っている。
恐らく本名を知っているのは片手で数えられる程度の人数。城で働く警備員やメイドですら知らない。
アキハ、コクランは知っているらしい。ミルは一度聞いたことがあるのだが「忘れた」とのこと。
フィオーレ絶頂期は彼女の祖父が治めていたとき。父の代になると帝国主義が世界中に広まり、軍事力に元々乏しかったフィオーレはソルティーナ合衆国の植民地と化した。
そのときに家族全員を失い、彼女自身も【ラレンヌ(中略)=フィオーレ】という名を封じられ奴隷となる。その時にアキハやコクランと出会い、レジスタンスに加入。しかし「王女を戦わせるわけにはいかない」という周りの理由で戦場に立つことはなかった。
兄と二人の妹がおり、本来ならば兄が継ぐはずだった王国を治めているのに少し後ろめたい感情がある。
家族全員が美男美女だった。ラレンヌ自身は無自覚。
誰に対しても敬語で話す。騎士団員には呼び捨てだが、やはり敬語を使う。
「私はラレンヌ=フィオーレ。気軽にラレンヌと呼んでください」
「不思議なものですね。兄が治めるはずだった王国なのに私が治めることになるなんて……」
「そんな、様なんて付けなくても構いませんわ。……ところでお怪我の方はあれから如何ですか?」
「アキハもコクランも良い友人です。そして貴方も、私の見る限りではとても優しいお方です」




