席替えの憂鬱
私にとって始めての恋愛がメインの小説です。
拙いですが、是非!読んでみてください。
席替え
…それはある者には喜び。またある者には期待。それまたある者には悲しみ。
そして、ボクにとっては…
『憂鬱』である。
なぜ憂鬱になるのか?そんなの思春期なボクらにとっては周知の問題である。
「由史《よしふみ》君今日席替えなんだって~」今、花が咲いた様な笑顔でボクに話し掛けてくれているのは僕の席に隣の宙《そら》ちゃんである。クラスではあまりパッとしないがボクはそんな彼女が…
「お、おう。そうなんだ…それにしても先生も突然だよな~」ボクが宙ちゃんに悲しさを悟られないように気の無いふりをする
「あっ!次私の番みたいだから行くね…」嗚呼さらばボクの静かな青春よ…。うん?待てよ?今ふと思いついたんだがボクがもう一度宙ちゃんの隣を引き当てればいいじゃないか!!
一度成功してこの席だったんだ!また出来ない訳でもないよね
そしてとうとう僕の番クラスは全32人。そのうち女の子を除くと16席。現在残りクジ数7枚未だ彼女の隣は空いている。つまり、ボクが彼女の席の隣に当たる確立は7分の1である訳ではあるがそんなものは今となってはただのデータにしかならないだけで…あぁ!!もう!!どうすればいいんだよ!!落ち着くんだ、クールになるんだ由史。パクリ?そんなもの知らんな。
自分を信じるんだ!!これだと思ったものを引け!!とは、言い聞かせては見るものの手が動かない。焦るな…信じろ、信じるんだぁぁあぁぁああぁぁ!!!
「おい!遅いぞ!黒須《くろす》何?悩んでるのか?」担任の深入が僕に話しかける。
「ちょっ、え?!まっ!」
「お前のはこれだ」そう言って深入はボクのクジを勝手に押し付ける。ボクは深く溜息をつく。しかしだ、ボクもこれ位じゃ倒れないぞ…。こうなったのも何かの運だ。深入に賭けてみるのもいいだろう…。よし!!開けるぞ!!
……ボクが引き当てた、もとい深入が引いて寄越したクジの席はボクの求める場所ではなくその席から少し前の席だった…。ハハハ…そもそも際どい戦いだったじゃないか。なんて現実逃避をしようにもそれさえも出来ない…。
そんなこんなで2時間目
ボクの得意な数学だが、日ごろ『ここ教えて~』とせがんで来る声が無く心が折れそうになる…。どんだけ彼女に依存にしてんだよ…。後は特に、ボクが彼女を見ようと後ろを向いて先生に怒られた位かな?
そんな数学が終わりただいま休み時間である。
我が学校は授業間の休憩は15分もあるのだ。ボクは先ほど出来なかった現実逃避を再開し、友達と駄弁っている。
さて、残り時間も5分か…次の時間の準備でもするかな?と、ボクが席に着く(あんまり触れたくないが…)と彼女…宙ちゃんがボクの席までやってきて
「席変わっちゃったね~でもまだ近いし私なんて授業中の由史君が見られるし~あっ!もう次の授業が始まっちゃう!!じゃね!!…後ろだけど」嵐のようにやって来てそのままの勢いで去った行ってしまった…。
忌々しい席と次の授業である理科の教科書だけが取り残される。しかし、嵐のような彼女でもわざわざボクの席までやってきてくれた事だけで十分だった。意外と席替えも悪くないかな?なんて思ってしまうボクは現金だろうか?
毎時間彼女がボクの席で他愛も無い話をしている間ボクがずっと惚けているのはまた別の話だ。
こんな作品を最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
ご感想・ご指摘なんでもどうぞ
これからもよろしくお願いします