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被災者の方に身を寄せて
もう十分生きたと思います
「古里は復興し活気に満つ」
けれどあなたはここにいないのです
何故に私を放り出したのですか
何故に赤の他人を助けに海近くへ馳せたのですか
私はここに置いてけぼり
あなたは何処かへと
十五年ですよ
そろそろ帰路についたらどうですか
近くにいるのなら迎えにいきますから
何処で逢えますか
全てを投げ出してあなたに逢えるのなら
悦んでします
いっしょに歳を重ねるだけでいいのです
私だけ歳をとるのは不公平です
何故私ではなくあなただったのでしょう
偶然それとも必然ですか
忘れたいですよ 忘れたいですよ
でも私が忘れてしまえば
誰があなたを思い出してくれるというのでしょう
だから私はここに置かれたのでしょう
あなたが遺した仲間とともに
薫りを求めて




