表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/83

47

私は、先日ラウルに告白された返事をする為に、ウィルフォードには先に帰ってもらう事にした。


そしてウィルフォードと別れ、ラウルを探そうとしたら、後ろから声を掛けられたのである。


「その様子じゃ、僕は振られちゃうのかな?」

そう言って、ラウルはにこやかに話し掛けて来た。


突然の事にビックリしてしまったが『ごめんなさい』とラウルの目を見て返事を伝えたのだ。

すると・・・。


「そんなに本気で取らないでよ。

・・・けど、残念だなぁ。

あわよくば、妖精ちゃんを奪えるかと思ったのになぁ。

まぁ、仕方ないか。

だから、これからも友達って事でよろしくね!

もし、ウィルフォードに愛想が尽きたら、いつでも僕の所へ来てくれて良いからね!

妖精ちゃんなら、大歓迎だよ!」


ラウルはいつもの軽い口調で言うので、本気ではなく、冗談だったのかと肩透(かたす)かしを食らったのであった。


*********************


「こんにちはラウルさん。フェアリエルさんと何かありました?」


妖精ちゃんと別れた帰り道、僕の苦手な彼女が声を掛けて来た。

今日くらいは、そっとしておいて欲しいのに。

・・・なんでこうなる。


「はぁ。君は本当に遠慮って物がないよね」

「それはお互い様だと思いますよ?」


笑顔で言い放つ彼女は、僕に対して全く遠慮のカケラも見当たらない。


「・・・・・。

君は相変わらずだね」


嫌みを込めて言ってみた。


「・・・・。

でも、私の事が嫌いな人には、もちろん遠慮しますよ」


彼女の頭の中に【()()】の文字が存在していた事に驚いたのと同時に疑問も生まれた。

僕は君が苦手なのに、何故止めないのかという事だ。


「何回も止めて欲しいって言わなかった?」


「はい。

けれど、ラウルさんは本気で私の事が嫌いではないですよね?」


・・・は?その自信は一体何なんだ?

と思っていたら、彼女が再び口を開いたのだ。


「嫌いなら、話しかけても無視をすればいいのに、いつも対応してくださるではないですか」


・・・・そう言われてみると、今まで一度も無視をしようと考えた事はない。


なるほど。

彼女の判断基準だと、苦手と嫌いは別物らしい。

不覚にも、そんな面白い良い考え方に感心してしまったのだった。


「・・・・ははっ。

君の考え方はすごいね!

本当に、君の頭の中を見てみたいよ」


「そうですか?

ラウルさんと、あまり変わらないと思いますよ?」


そう言い、彼女は首を(かし)げ、にこやかに答えて来たのだ。


「それ、本気で言ってる?

・・・・あーあ。

なんか、君と話していたら落ち込んでいるのが馬鹿らしくなって来たよ」


「元気になったのなら、よかったです!」


「・・・・いやいや、元気にはなってないって」

「それで、何かあったのですか?」


「・・・・うん。

まぁ、妖精ちゃんに振られたからかな。

結構本気だったんだけどね。

ウィルフォードには勝てなかったよ」


そう口にしてハッとした。

いくら気が緩んでいたとは言え、本音を口にするなんて・・・。


「・・・・てか、何で僕はこんな事を君に話しているんだろう。

君、ものすごく聞き上手なんじゃない?」

と冗談めかして聞いてみたのだ。

すると・・・。


「初めて褒めてくれましたね!けれど、聞き上手と言われましても、誰にでも、ではありませんよ。

ラウルさんの事だから知りたいのです」


そう言い、何の害意もない彼女の顔を見て、安心してホッとする僕が居たのだ。


「・・・・。

くくっ。君は本当にブレないな。

君のそう言うところ、嫌いじゃないよ」


振られた事は、やっぱりショックだったけれど、話を聞いてもらえて、とても気が紛れた。


今回は彼女に感謝しないとな。

そう思うラウルだったのだ。



そうしてラウルは、何も飾らない自分をミレットに見せていた事には気付いていない。


そして、嫌いじゃないと言われたミレットは、ラウルが心を開いてくれた思い、【これは、絶好の好機!】とばかりに、突撃する回数を増やすのである。

そんな未来が待っているとは、カケラも思わないラウルであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ