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【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
本編

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26

次の日


食事中にアグネスが今日の予定を伝えてくれた。

 

「今日は湖に行こうと思うの。

みんなでピクニックしない?」


「楽しそうね!ピクニックは久しぶりだわ」


私が答えたその時、リュカディが『あの』と遠慮がちに話しかけて来たのである。


「ぼくも、いっしょにいって、いいですか?」

 

もちろんNOと言う訳がない。

可愛いリュカディが居てくれると、こちらも癒される。


私とメルティアは『是非に』と返事をした。


すると、リュカディが『リュカで、だいじょうぶです。ねえさまの、おともだちと、いっしょにあそべて、うれしいです。よろしくおねがいします』と頬を赤らめて一生懸命に伝えてくれたのだった。



・・・・可愛いが過ぎる。

()でまわしたい・・・。


私は、撫でまわしたい欲望に打ち勝ち、アグネスの母がピクニックセットの手配をしてくれたので、早速出発したのだ。


「お母様、行って参ります」


「気を付けて行ってらっしゃい。

リュカ?皆さんにご迷惑をおかけしては駄目よ。

皆さんも是非、楽しんで来てくださいね」


そう言って笑顔で送り出してくれたのである。


馬車で揺られる事30分。

エメラルドグリーンの色をした湖が見えて来た。


・・・すごく綺麗だわ。


馬車を降りて、メイド達がピクニックの準備をしてくれている間に、周りを散策する事にした。


私は湖に近づき、中を覗き込む。


水深は、そんなに深くないのね・・・。


とその時、アグネスが口を開いた。


「これがガボよ」


そこには、ただの草が生えている。


・・・ん?

まだ実がなってないのかな?


メルティアも同じ事を思った様で、アグネスに聞き返したのだ。


「・・・これから実がなるの?」


「ガボはね、朝にしか実がならないの。今は実が落ちてしまったのよ。

朝に収穫した実も、その日に使わないと変色してしエグ味が出てしまうから、すぐに使わないとダメなのよね」


昨日、日持ちしないと聞いたが、まさか一日も(たも)たないとは思わなかった・・・。


私が思案していると、準備を終えたメイドが話しかけてきた。


「皆様、準備が整いました」


そして準備された場所へ行くと、シートが敷かれ、その上にクッションやテーブルが置かれている。


テーブルにはお茶やサンドウィッチなどの軽食が用意されていた。


綺麗な湖を見ながらのお茶は格別だわ。


私はアグネスに、この休み中の事を聞いてみたのだ。


「アグネスは実家に帰ってゆっくりできた?」


「ええ。久々に()()()()とさせてもらったわ。やっぱり、賑やかな所より、こちらの方が合っているみたい」


そう言って嬉しそうに笑っている。

メルティアは辺りを見回してから()()()()に口を開く。


「ここは、時間がゆったりと感じられて落ち着けるものね」


とその時、リュカディがアグネスに問いかけたのである。


「あの、ねえさま?()()()()は、ゆっくりできないのですか?」


そう言われて、アグネスはハッとしたのか、リュカディに向き直り、話し始めたのだ。


「そんな事はないのよ。ただ、気持ちにゆとりを持てる時間が少ないと感じるのは確かだけど、それよりも大切なお友達と一緒に過ごせるのは、とても楽しいわ。

だから、リュカが大きくなった時、学園に通う事を楽しみにしてもらえたら、と思っているのよ」


「はい。ぼくも、たいせつな、おともだちをつくりたいです」


「リュカ君にもいっぱいお友達が出来るわ」


私はそう伝え、その後の楽しいピクニックは終わったのである。


【その日の夜】


3人でパジャマパーティーもとい、()()()()()パーティーをした。


メルティアは、昨日話してくれた、兄の事をアグネスにも話していた。


アグネスも『応援するわ』と言って、みんなで初めての恋バナが出来たのだ。

そして最後の夜は、お菓子を食べながら、夜遅くまで楽しく過ごしたのであった。



【三日目】


楽しい時間は、あっという間に過ぎる。もう帰る日になってしまった。


アグネスがお土産屋さんに連れて行ってくれると言うので、みんなで村へと向かっている。


小さな村だが、観光客も少なくなく、宿泊施設や食事処、お土産屋さんが(そろ)っていた。


この辺りは牧場が多いので、牛乳を使ったお土産が多くみられる。


アグネスはお土産屋に入ると『3人で何かお(そろ)いの物を買わない?』と誘ってくれたので、私達はもちろん同意したのだ。


そして、3人で良い物がないかを探す事にする。


私は、文房具売り場に行く事にした。

棚を上から順に眺めていたら、パッと目に留まったのだ。

それを手にしてみる。


ハンドル部分に牛、豚、羊の絵が描いてあるペーパーナイフだった。

カラーもネオングリーン・ピンク・レモンイエローでとても可愛い。


2人にも声を掛けて聞くと、『可愛くて実用的でいいわね』と言ってくれたのだ。


メルティアは羊、アグネスは豚、私は牛にした。

みんなでお揃いって気分が上がる!


その他には、家にお菓子、ウィルフォードには牛の絵が描いてあるペンを買ったのだった。


そうして、時間が経つのも早く、もう帰る時間となってしまった。

挨拶を交わし、アグネス一家が見送ってくれる。


馬車は1日半かけて自宅へと向かう事になるのだ。

帰りも馬車の中では話題が尽きる事はない。


「今度のクラスもみんな同じだといいわよね」

「そうね。3クラスしかないから可能性は高いわよ」


と私とメルが話していると、窓から我が家が見えて来た。



「送ってくれてありがとう!気を付けて帰ってね」

「どう致しまして。また来週学園で会いましょうね」


そうして、楽しいお泊り会は無事に終わったのだった。


【後日】


妃教育で王宮へ行った時に、ウィルフォードにお土産を渡す事にした。

だが、差し出した時に悩んでしまったのだ。


王子に渡していい代物(しろもの)ではないのではないか?と。


だが、出した物を引っ込める事は出来ず、そのまま渡すと(こと)(ほか)、喜んでくれたのだ。

ウィルフォードは以外にも、可愛い物が好きなのかもしれない。


私は、今度可愛い物があったら、プレゼントをしてあげようと思ったのであった。


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