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王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
本編

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ウィルフォード視点

今日のお茶会で、婚約を解消したいか?と聞きたかったのだが、食い気味に返事をされた為、最後まで言う事が出来なかった。


でも、今はそれで助かったと思っている。


返事をした時の彼女は、満面の笑みだったのだ。

俺は思わず彼女の笑顔に見惚れてしまった。


そして、(ようや)く気付いたのだ。


自分の本当の気持ちに・・・。


5歳の時に初めて会った、あの時の衝撃(しょうげき)が何だったのかを。


彼女を前にすると思う様に出来ない自分が情けなく思えて、この気持ちに気付かないフリをしていた。


そう。

俺は、出会った時から彼女に思いを寄せていたのだ。


だが、彼女の反応を見れば、俺との婚約を解消したいのだろう。


そりゃそうだ、今まで酷い態度を取り続けて来たのである。


・・・俺の事を嫌っているのは当たり前だ。


でも、一つ、()に落ちない事がある。


それは、どうしてフェアリエルから婚約解消の申し出をしなかったのか。という事だ。


・・・もしかして、契約の内容を知らないのか?


知らないのなら、それを利用させてもらう。

自分の気持ちに気付いた以上、ここで何とか食い止めなければならない。


緊張するとか、恥ずかしいとか、言っている場合ではないのだ。


そう考えを(まと)めていたら、彼女が退席しようとしている。

だから慌てて声を掛けたのであった。


それから、俺と彼女の問答が始まったのである。


なんとか言いくるめる事は出来たのだが、楽観視は出来ない。

後で、現状打破(げんじょうだは)できる方法を考えないと。


俺がそんな事を考えているとは、微塵(みじん)も知らない彼女は、唖然(あぜん)とした顔でこちらを見ていた。


くくっ、面白い。


好きと言う気持ちを認めてしまえば、何と言う事もなかった。

好きなのだから、緊張もするし、恥ずかしいと思うのも当たり前だったのだ。

長年かけて、やっと胸の中が晴れ渡った気がする。


それに、既に嫌われているんだ。

何をしても、これ以上は落ちようが無い。


だから、覚悟しておけ。

じわじわと追い詰めてやる。


そうして、ニヤリと笑ったのであった。


(こう)を焦らず、とは正にこの事。

フェアリエルは最後の最後で失敗してしまいました。


この作戦。

フェアリエルの笑顔が、ずっと見たかったウィルフォードに、満面の笑みを見せたのが敗因だ。


最後まで我慢すればよかったのに。

と悔いても、もう遅いのである。




そして、家に帰って来たフェアリエルは考えていた。


いったい何が起こったの?


作戦は上手く行っていたはずだ。

でなければ、婚約解消したいか?なんて聞いて来ない。


何を間違った?


後、一歩だったのに・・・。

悔やんでも悔やみきれない。


しかも最後の言葉・・・。


覚悟しろって言っていたわよね?

・・・何か断罪される事、した?


身に覚えがあるのは、今までの態度くらいだ。


不敬罪(ふけいざい)。かしら?

   

家族には迷惑を掛けたくない。

回避する方法をグルグルと考え、眠りについたのであった。


そうして、フェアリエルが悶々(もんもん)と考えていた頃。


ウィルフォードも色々と考えていた。


あのタイミングで気づけてよかった。

もう少し遅かったら婚約解消をしていたかもしれない。


まずは、これからの事を考えよう。

フェアリエルは契約の内容を知らなかった。


だから、よっぽどの事が無ければ、向こうからの婚約解消はないと思っていい。


それと今、俺の気持ちを伝えたとしても、今までの態度があるから信じてはくれないだろう。


なら伝えるより、態度で示さなくてはいけない。


明日、ランチに誘うか。


頻繁(ひんぱん)に会う機会を増やしていけばいい。

俺は、彼女の事を知りたいし、自分の事も知ってほしい。


(ねが)わくば、好きになってもらいたい。


今までは、名前の付けられなかった感情に鬱屈(うっくつ)していたが、それも今日で終わりだ。


ウィルフォードは明日を楽しみにして、眠りについたのであった。


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