表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/35

15

季節が春から夏へと変わろうとしている。


そして今日は、待ちに待った、お友達を呼ぶお茶会の日だ。

私も、母と一緒に準備を頑張ったのである。


お客様はメルティアとアグネス。

アグネスは寮の為、うちの馬車で迎えに行ってもらっているのだ。


最終確認が終わった頃、マルティネス家の馬車が到着した。

兄にエスコート役をしてくれる様に事前に頼んだのである。


「やぁ、メルティア譲。久しぶりだが、元気にしていたかい?」


「はい。お久しぶりでございます。エスコート、ありがとうございます」


兄が挨拶をすると、メルティアの態度がガラッと変わったのだった。


あれ?メルが頬を染めているのだが・・・?

どう見ても恋する乙女に見える。


これって、もし兄と結婚してくれたら、メルが本当のお姉さんになるって事じゃない?

・・・はぁ、すごくいいわ!


と、フェアリエルが一足も二足も飛ばした思考を巡らせている事に、当然気付かない二人は、挨拶をして先に会場へと向かって行ったのだった。


そして、(しばら)くして門が開き、家の馬車が帰って来た。


扉を開け、うちの執事が馬車からエスコートをしてくれる。


「いらっしゃいアグネス、今日は来てくれてありがとう!道中問題はなかった?」


「お招きいただき、ありがとうございます。エルのおかげで、とても快適だったわ」


それから会場へと向かい、庭にあるガゼボへ着いたのだ。


兄とメルティアが席に着いているので、私達も座る。

再度挨拶を交わし、お茶会がスタートしたのだった。


私は、楽しめる様にと、色とりどりのお菓子を用意したのだ。

それにメルティアもアグネスもとても喜んでくれている。


頑張った甲斐があったわ!


と、そこに、父と母がやって来た。


みんなに挨拶をして父と戻ろうとする母。

ここに居続けたい父。


二人の攻防が密かに行われている事に、私達兄妹はすぐに気付いたのだ。


母は顔や態度には出さないが、父の行動にイライラしていると思う。


私は『お父様!もう、これ以上は止めて!後が大変よ!』と、言いたいが二人がいる手前、言えない。


もどかしい私の心の叫びが通じたのか、気持ちを察した兄が動いた。


「父上、仕事の続きをしに一緒に参りましょう。

皆さん、仕事の為、退席する事をお許しください。

この後も、楽しんでいってくださいね」


父は笑顔の兄と母に挟まれて連れて行かれたのであった。


一応言っておくが、父は家ではこんなだが、外では全く違う。

家族が絡むとこうなるのだ。


また母に叱られていないかと子供ながらに心配になってしまう。


そして気付けば、私達三人となっていた。


これは女子会よね?

女子会と言ったら恋バナだわ。

みんなに少し聞いてみましょう。


「ねぇ、二人は好ましい方や気になる方はいたりする?」


すると、アグネスがお菓子を食べる手を止めて答えてくれたのだ。


「うーん、いたらきっと楽しいとは思うけれど、私はこちらの生活にまだ慣れてなくて。

実際、それどころではないわ」


「じゃあメルは?」


「私?

・・・そうねぇ、学園にはいないわね」


私は、兄が好きなのでは?と言う確信が欲しいので、もう少し掘り下げて聞いてみた。


「・・・その言い方は他にいるって事?」


「!?

いや、その、えーっと、素敵だなって思う方はいるけど。って、恥ずかしいからもう終りね!

そういうエルは、殿下とどうなの?いつも私達と一緒にいるけど平気?」


藪蛇(やぶへび)出た。


「私は大丈夫よ!毎月のお茶会行ってるし!」


何もなさ過ぎて、茶会の事しか思い浮かばない。


「それ、月に1回でしょ?

学園で話しているの見た事ないけれど・・・」


メルティアの鋭い追及が始まり、()()()()していたら『私達の事は大丈夫だから、殿下をランチに誘って、二人で行ってきたら?きっと、喜ぶわよ』

とアグネスが屈託のない笑顔で提案してくれる。


でも、それはいらない提案です。

・・・殿下、喜びません。


「うーん。

・・・じゃあ、いつかね!

今は、みんなと一緒に居たいし、殿下の都合もあると思うし。

だからね、今は、大丈夫なの!」


()()()()()()になりながらも、返事をしたのだった。


みんな心配してくれているのは分かる。

とっても嬉しい。

けれど、心配する所はそこじゃないの・・・。


言いたいけど、言えない。


恋バナ出来ない私が、恋バナの話を振ってはいけなかったのだ。

と痛感した女子会となったのである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ