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王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!  作者: こさか りね
本編

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14

「エル、学校は楽しいかい?」


今日からまた1週間の始まりだ。


うちは都合が付く時は、家族みんなで食事を取ると言う約束がある。

そんな中、兄が聞いて来たのだ。


「もちろん楽しいですわ!私、メル以外のお友達も出来ましたの」


「なに!?本当か?」


父が食い気味に聞いて来た。


「ええ、アグネス・ムーア子爵令嬢です。彼女はとても(ほが)らかな方なのですよ。

私も、メルも仲良くさせてもらっています。」


「そうか。よかったな!学園時代に仲良くなった友は、一生の友になり得るからな。

大事にしなさい。」


父は余程嬉しいのか、『そうか、そうか』と微笑みを浮かべ、何度も(つぶや)いている。


そんな父を見ていた母が『今度、お茶会を開いて、お友達を招待してはどうかしら?』と()()()()に言ってくれた。


そんな両親に私も嬉しくなり、『今日、二人に聞いてきますね』と伝えたのだった。


するとその時、蚊帳(かや)の外になってしまった兄が口を開いたのである。


「じゃあ、僕も参加しようかな!」

「え?剣の稽古は大丈夫なのですか?」


茶を飲むなら剣を振っていたい、と考える兄だ。

思わぬ発言に耳を疑ってしまった。


「・・・エル。

その言い方だと、剣の稽古()()、していないみたいじゃないか。

ちゃんと、次期公爵としての手伝いも、しているんだよ」


そう口を尖らせながら言って来る兄に、考え無しで口から出てしまった事を謝ったのだ。


「そうでしたわ。お兄様、ごめんなさい。」


「まぁ、確かに、剣の稽古も欠かさないからね。

でも、僕もエルのお友達に会いたいから、時間を作るよ!」


私はそんな兄に『ありがとう』と伝えたのだった。


すると、視線を感じ、斜め向かいを見ると父が()()()()としている。

何だろうと思い様子を伺うと。


「ゔ、うん。

・・・・私も参加しようかな?」


「あなたは、お仕事があるでしょう。お茶会に参加は無理でも挨拶はできますわ。

(わたくし)と一緒に挨拶をしましょうね。」


即座に、母の反論の余地を与えない返事をされ、父は渋々納得したのであった。


そして朝食も終わり、学校へと向かう。


クラスには(すで)に、メルティアとアグネスが話をしていた。


なので、早速、お茶会の話をしたら、『是非に』と言われたので今日帰ったら招待状を書こうと思う。


それからはチャイムが鳴り、席に着いたのだ。


そして今日は魔力についての授業だ。

まさか、この世界に魔法があるなんて、今まで知らなかったのである。


家族の誰も魔法を使っていなかったからだ。


すごいわ!異世界って言ったら、やっぱり魔法よね!


ドキドキ・ワクワクしていたら、先生がやって来たのだった。


・・・ん?・・・あれは!?


良く目を()らして見ると、先生のお腰に付いていたのは、前世、子供から大人まで大人気だった、モンスターを捕まえて戦わせる(ぼう)アニメに登場する、ボールに似た物をぶら下げていたのだ。


何が入っているのかしら?

装着の仕方といい、まるっきり、あのボールみたいよね?


私は頭を(ひね)りながら考えていると、待ちに待った授業が始まった。


その後の先生の話を要約すると。


私達の身体には魔力が流れているが、それ単体では使う事が出来ない。

使うには媒体(ばいたい)する物が必要。


そして、媒体として使う物が、先生のお腰に付いているボール。こと、()()()()()()()と言うのだ。


しかも、この国では、攻撃魔法が禁止されていると言う。


ファイアボールとか、派手な魔法を使ってみたかった私は、少し心が(しぼ)んでしまった。


そして、このマジッククレーを作る事が授業の内容なのだ。

それから、マジッククレーは1つ作れば何でも出来るのではなく、1つに1用途の魔法しか付与出来ない。


なるほど!

だから、何個も(つら)なって付けていたのね。

・・・納得だわ。


火をつける・氷を出す・風を起こす。

これだけで、3つのマジッククレーが必要となる。


便利なのか、不便なのか、良く分からない仕様だ。

そして、このマジッククレーを使い易くする為に、埋め込んだ物がドライヤー等なのだ。


要するに、マジッククレーは家電の動力の様な物であり、別に埋め込んでいなくても、ソレ単体で使えるのだ、と先生は言っている。


今まで当たり前の様に生活していたが、家の中の()()()()()全て、魔力で動いているんだって。


・・・ずっと電気だと思っていた。


そして、このマジッククレーを家族が全く使わなかったのも分かる。

メイドがいるのに、家事製品を持つはずもない。


以前は、攻撃魔法もあったのだが、今は、隣国とも友好的だし、逆に治安が乱れるとの事で、禁止されている。


それと、この世界。

モンスターもいないんですって!


だから、戦う必要がないのだ。


なんとも平和な世界である。


だからと言って、技術が失われてはいけないので、資料は王宮に保管してあるらしい。


そして、このマジッククレーは、粘土の様にコネコネして作り上げる。

粘土を触ると、頭の中に回路が浮かぶので、プログラミングの様に、1つ1つ動作を落とし込んでいくのだ。


例えば、火をつけたい場合、火だけを想像してもダメだ。

火がつく原理を順番ずつ想像してコネコネしながら入力していく。


そうして完成すると、白色だった粘土に属性の色が付き、硬いボールとなるのだ。


学園では、基本的な火・風・水・氷の作り方を教えてくれる。

アレンジすればもっと(すご)い物が作れる様になるらしい。


授業後にメルティアが言っていたのだが、街にマジッククレー専門ショップがあって、アレンジ商品などの買取り・販売をしているそうだ。


ちょっとしたお小遣い稼ぎをしている方もいるんだって。


何だか、期待とは違った魔法事情だったけれど、これはこれで楽しそうだ。


私は、便利な家事製品が出来ないかなって、思いを(めぐ)らせるのであった。


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