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春麗らかな日、小鳥たちの囀りが祝福の様に聞こえる。
そう、今日は私の15歳の誕生日だ。
この国には誕生日をお祝いする風習がない。
だから、人に誕生日を伝える事もない。
なのでプレゼントも、もちろんない。
ないない尽くしで、ある意味、気が楽である。
しかし、せっかくの誕生日なのに、本日はお茶会の日なのだ。
ウィルフォードの顔を見なくては、いけないとは・・・。
学園では、たまに見かける程度の接触しかない。
・・・はぁ、行きたくないよ。
と思っても、行かざるを得ないので、仕方なく準備をしてもらう事にしたのだった。
そうして、王宮のエントランスへ到着し、いつも通り、王宮護衛騎士のハーパーさんに挨拶をして、王宮へと案内してもらう。
この6年間で、ハーパーさんとは気軽に話せる間柄となった。
先日、奥様が第一子を出産され、パパとなったのだ。
もちろん、お祝いの品でウサギの耳つきお包みを送った。
奥様が可愛いと、すごく喜んでいると言っていたので、特注で作らせた甲斐がある。
いつもの様に、そんな話をしていたら、庭園に着いたのだった。
だが、まだウィルフォードは来ていない。
なので、花を楽しむ事にしたのだ。
うちの庭にも色々な花はあるが、王宮の庭園とは比べ物にならない。
知らない花も沢山あった。
そうして10分程した頃、ウィルフォードがやって来たのだ。
「悪い。待たせたな」
「ごきげんよう、ウィルフォード様。
私も今、着いたところですので、お気になさらないでください」
そうやって挨拶を交わし、早速、お茶会スタートだ。
・・・ってまぁ、今日も挨拶以外、無言なんだけどね。
この居た堪れない空気にも慣れてしまった。
そこで、ぼーっとしているのも勿体ないので、考え事の時間に充てる事にする。
ネイトピア王家には3人の王子がいる。
第一王子は既に立太子していて、ルカンド公爵家の令嬢と結婚している。
そろそろ、第一子が産まれる予定だ。
第二王子はセントラルオーサム学園を卒業後、将来の国王を支えることを見越し、見識を深める為に隣国へ留学中だ。
そして、目の前のウィルフォード様は役割的にも将来はきっと外交が主になるはずなのだ。
なのに、こんなに口下手で大丈夫かしら?
ちょっと心配になってしまう。
世の中、好きな人ばかりではない。
苦手な人の前で、気分が顔に出る様じゃ、まだまだだ。
まぁ、まだ若いし、これからに期待と言う事かな?
もしウィルフォード様と結婚したら、国外を飛び回らないと、いけないのよね。
のんびりと田舎暮らしがしたい、私にとっては、地獄の様な生活だわ。
取り敢えず、早く婚約を解消してもらわなくては。
そうして、お茶会の時間は目一杯、考え事に充てたのであった。




