中身オタクおばさん、外見イケメン。異世界で始まる仙界ライフ

パンが好きで、声が好きで、2次元の美形が大好物。
だけど何より大切だったのは――
初孫・すーちゃんの笑顔と、家族の何気ない日々だった。

高城由美、五十七歳。
持病もなく、元気だと思っていたその日。
突然見つかった悪性腫瘍は、もうどうにもならなかった。

──あっけない最期だった。
せめて、あと少しで結婚だった息子の門出を見たかった。
すーちゃんの「ばぁば」って笑う声を、もっと聞きたかった。

そんな思いを胸に閉じた目を、ふたたび開けると……
そこは美しい山河と霊気あふれる異世界「玄辰仙界」。
見知らぬ男たちが自分を囲み、呼ぶ声は低く優しく、
その視線の先にいたのは、琥珀の瞳を持つ美しい青年だった――。

魂はそのまま、容れ物だけが若くなって。
私は、第二の人生をもらったらしい。

不思議な力、仙術、そして学院での学び。
人ではない存在たちとの出会い。
過去を持ち、それでも今を生きる者たちとの絆。

これは、人生の続きをもらった一人の“元・おばさん”が、
もう一度「好き」を胸に歩き出す物語。

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美しき仙界で、心を取り戻していく――
中身オタクおばさん、外見イケメン。
異世界で始まる、ちょっぴり切なく、優しい再出発。