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十四 - 幽惑/蓮浄 凛
了子の一件後、私はいつもと変わらない平凡な日々を送るつもりだった。つい先程までは。
ふと、いつもと何かが違う事に気が付いた。やけに静かだ。教師に確認してみる。
「今日、薫お休みですか?」
「薫?」
「はい、水無月 薫です」
「みな…ねぇ蓮浄さん、寝惚けてるの?」
え?
確かに同じクラスのはずだ。寝惚けてるのはそっちではないか?念のために隣のクラスに行き、了子を訪ねた。
「水無月 薫、さん?いや、知らないし、聞いたことも無いですけど…」
「…」
「あ、蓮浄さんに千念さんから伝言預かってます。見せたいものがあるので、放課後に白永山神社まで来て欲しい。との事です」
薫と弥生の伝言で頭がいっぱいのまま、その日の学校生活は終わった。