―家出娘と猫と指輪― 予告
現代日本でのほほんと暮らしていた鉄輪ナツメと斉藤雄介は、わけもわからぬまま異世界へと召喚された。
紆余曲折の末、二人は自分たちの特異体質を活かして、「魔道探偵」なるトンチキな職業を彼の地にて立ち上げる。
……とはいえ、世間に認知されていない職業というものは、スタートアップが難しい。客らしい客も現れないまま数ヶ月が過ぎようとしていた。
そんなある日、とうとう事務所の呼び鈴が鳴る――
「猫は、人の言葉を喋れた方がよいのか?」
「恋のきっかけが、往復ビンタでもよいのか?」
「誕生日プレゼントの指輪を換金しても、心は痛まないのか?」
そんな極限の問い掛けが、読者の心を揺さぶる超大作!
「ナツメさぁん……これさあ……確かに間違ったことは何一つ書いていないんだけど、もうちょっと書き様ってものがあるんじゃないの?」
「何さ、文句があるんだったらユウちゃんが書いてよ」
「う、それは……まあいいや。あとはみなさまにこの先を読んでもらって、確かめてもらいましょう。我々の血沸き肉躍る活躍をね!!」
「……ユウちゃんって、自分を自分で縛って喜び悶えるタイプだよね」




