光学
●アルバムを通して、ACIDMANのキャッチーな面からディープな面まで堪能。
【収録曲】
1.光学 (introduction)
2.アストロサイト
3.go away
4.輝けるもの
5.sonet
6.白と黒
7.feel every love
8.1/f (interlude)
9.青い風
10.龍
11.蛍光
12.光の夜
13.あらゆるもの
今回のACIDMANのアルバムのテーマは「光」。大半の楽曲に「光」という言葉が入っていますが、そもそもそういう言葉自体が歌詞というものによく使われますし、彼らのような壮大な雰囲気を持つバンドならなおさらそう。従来と比べて明確なコンセプトを受け取れる……という印象は受けませんでした。
むしろ感じられたのは、楽曲のバリエーションの豊かさ。比較的キャッチーなシングル曲に限っても、激しいロックチューンの『輝けるもの』にストリングスを取り入れたバラードの『sonet』、ジャジーに仕上がった『白と黒』と、全て曲調が異なりますし、後半になると、漂うようなサウンドを聴かせる『龍』や約8分に渡る『あらゆるもの』のような、彼らのディープな面を見せるものも聴くことができます。このような「幅の広さ」は前作『INNOCENCE』の延長線上……どころか、「ディープな面」の存在によって、より強まったように思えます。
一曲一曲に注目していけば、ゴスペル調の『feel every love』や叩き付けるようなリズムで押し切っていく『蛍光』を除くと、さほど目新しさはありません。その観点から見ると前作の方が優れていたように思うのですが、彼らが持つ様々な音楽性が一作の中に上手く収められており、アルバムとして聴くと「バランスの良さ」を感じ取ることができました。「壮大な雰囲気」ゆえの「大味な面」が程良く薄まっていると言えるでしょう。
前作のレビューで、「彼らを最近知った方に是非お薦めできる」と書きましたが、今作はそんな方が次に聴くのに適した作品といったところでしょうか。もちろん、今作でACIDMANに初めて触れて、一気にディープな面まで堪能してしまうのもありかもしれません。
評価:★★★★★




