君を好きになった日。
「君が好き!」
そう簡単に言えたら、どれだけ楽だろ?
こんな気持ち、初めてだったよ。
君に会いたい、今すぐにでも。
毎日君のことしか考えられない。
なのに、君と話していると、そんなことさえ忘れちゃって。
君が幼なじみだから、失うのが怖いんだ。
だから、もうちょっと、もうちょっとだけ、君の友達でいさせて下さい。
君を好きになったのは、中1の夏。
どんどんカッコよくなっていく君に、あたしはただただ見とれてた。
「萌愛、何ボーっとしてんだよ」
「あっ、ごめん、有亮」
「別にいいけどさ。ってか、ごめん。お前も試合したいよな。別に、マネージャーするために入ってきたわけじゃないのに」
「いいよ。みんなが楽しく野球できるんだったら。見てるのも楽しいよ」
「でも、軽い怪我でよかったね。もうちょっとで大会だからさ。有亮、ちゃんと気をつけてね。有亮は、ウチの大事なピッチャーなんだから」
「試合に出れるかどうかもわかんねぇよ。俺、まだ1年だし。山内先輩とか、超ウメェんだ。俺、まだまだだなぁって。でも、頑張るよ」
ウチの学校は、人数が少なくて、それなのに野球部の部員の数はもっと少なくて、だから、マネージャーなんてつかなくて。
代わりにあたしがやってる。
3年生はこの夏の大会で引退で。みんな、3年生に思い出を残そうと必死だった。
だから、1年は余裕でベンチ入り。有亮にも出番があるようなことを、さっき先生から聞いた。
「うん。有亮ならできるよ」
「ありがと。俺、萌愛のために頑張るからさ、萌愛も、応援してて」
なんか、グサってきた。有亮が急に、大人っぽくなった気がした。
この時から、君が好きになったのは。
友達としてじゃなく、男の子として。
萌愛の恋はどうなっていくんでしょうか。
まだまだ未熟な私ですが、これからも、どうぞよろしくお願いします。
大宮アリス