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拷問姫シリーズ

拷問姫はかえらない

作者: リィズ・ブランディシュカ




 とある国のとあるお城。


 血のように真っ赤な薔薇が絡みつくそのお城には、拷問姫が住んでいました。


 拷問姫は、過去に家族や友人、国をなくした事で心を壊してしまっています。


 だから、ずっとその心は狂気に蝕まれたままでした。


 拷問姫は、二度と正気にはかえらない。


 それが、その国の人達の認識です。


 亡国の姫。


 可哀そうな姫。


 だから、人々は同情して世話を焼き始めます。






 拷問姫は、お城に隔離された毎日の中、人形を引き裂きながら過ごしています。


 とびちった人形の綿は真っ赤。そこには、度重なる乱暴で傷ついた指さきから滴る血がついていました。


 人の血で染まった真っ赤な綿が飛び散る様子は、まるで本物の人間の中身のよう。


 拷問姫の世話をおこなう者達は、あまりにも暴力的で凄惨なその光景を目にして、次々と心を病んでしまいます。


 そのため、拷問姫はあっという間に一人ぼっちになってしまいました。


 同情と義務で世話をしていた人たちすらよりつかなくなってしまいます。


 けれど、そんな事はどうでも良かったのでしょう。


 かつて人形であったかけらを、自らの血でそまったそれを、それからもずっと粉々に引き裂き続ける拷問姫。


 可哀そうな拷問姫。


 彼女の心は、彼女が終わるその時までずっと、かえらないままなのです。



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