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新青天の霹靂  作者: まめ
第一章 はじまり
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青天の霹靂5(プロポーズ)

冬眞は膝まづいて、廉夏に言う。

「では、廉夏。好きです。僕と結婚してくれませんか?」

「はい」

頬を赤く染めたが、すぐ切り替わる。

「なんてこと、あるか? 私は言葉より、指輪よ指輪。それより大事なのは、金でしょう?」

「さすが、廉夏ちゃん」  

廉夏は、地団駄を踏みながら、言う。 それに、冬眞は笑い転げる。

「もう、立ちなさいよ」

「はい」

「それに、プロポーズ何か、いらない。冬眞兄ちゃんは私のプロポーズ受けてくれた。そうでしょう?」

「はい」

「じゃあ、いらないわ。誰がなんて言おうと、関係ない。でも、何もこんなに急がなくても良かったんじゃない。学生生活ぐらい、満喫させてよ。イズれ、私は冬眞と結婚するつもりだったわけだし」

「僕もそう思ったんだけど、何でも誰かさんがこの婚期を逃すと、向こう40年結婚出来ないんだって。それ聞いたら、もう結婚してあげなきゃ、可哀想でしょ? 誰とは、言いませんが、ボランティア精神ですよ」

廉夏は冬眞の言い方で誰のことを言ってるのかに、気づく。 廉夏が、気付いたことに冬眞は、気付き笑う。

「そう、オールドミス決定だね」

「イヤ~」

「そうでしょう。僕に感謝したくなった?」

「それはない」

廉夏は納得行かないと、ばかりに即答する。

「これは、豪造さんの占いの結果だから、文句は豪造さんに」

「言えるわけ無いでしょ? 爺様の占いは当たるんだから」

廉夏は、普段、豪造をバカにしているくせに、爺様の占いは信じていた。

「だろう。40年は長いよ。向こう40年も結婚出来ないなんて、廉夏は信じたくないだろうけど?」

廉夏はハッたっと気付く。

「ところで、冬眞兄ちゃんはいつ、この話を聞いたの? 昨日って言うことはないよね?」

「えっと、結婚ですか?」

「そうよ。それ以外何があるって言うの?」

「そうですね。1年ほど前になります」

冬眞はサラリと言った。

「1年も前から。じゃあ、何故、1年も前から知っていて、どうして私に言わなかったのよ。昨日も会ってたのに」 

「昨日は、廉さんとの話し合いの場で、今後、僕の立場をどうするかを話あったんです。結婚の話をする場ではありませんでしたから。それに、今の廉夏さんを見たかっただけです」

「悪趣味ね」

「悪趣味ですか?」

「そうよ」

プッと頬を膨らませる。

「僕はそうは、思いません。こんなに可愛いんですよ」

廉夏の頬に、冬眞は触れる。 その手を、廉夏は払う。

「止めて、それが結婚を黙っていた理由にはならないわ」

「でしょうね?」

「じゃあ、何?」

「どう言う反応をするか、僕が見たかったからと言うのでは駄目ですか?」

「駄目でしょう。ムカつく、一言有っても良いと思うな。昨日も来てたんだし」

「昨日じゃ、有りません。正確には、11時間と32分43秒前です」

自分の腕の時計を見ながら、冬眞は言う。

「そんなのどうでも良いわよ」

「僕はイヤなんです。何事も正確じゃないと」

「そんなに、細いと女性から嫌われるよ」

「心配して下さって、ありがとうございます。でも、その心配はいらないみたいですよ。会社でもモテますから」

冬眞の言葉に廉花は嫌そうな顔をする。

「あっそ、って、普通自分で言うか?」

「こういう時こそ、自分で言いますよ」

笑って冬眞は言う。

「何かムカつく」

そう言って廉花も、笑う。

と、言うのも冬眞は本当に嫌なほど昔からモテやがった。

それを廉花も知っている。

歳は9歳離れているけど、バレンタインデーの日は、家の前に長蛇の列が2列出来ていた。

それは何故かと聞かれたら、廉花の家と冬眞の家は、隣同士だったから、廉にあげる者と、2列出来ていたのである。

夏海は前日にあげ、二人で冬眞と食べている。

チョコをたくさんもらっていた。

いつも捨てるから、勿体ないし、小さい頃はくれと、強請(ネダ)ったが、二人ともガンとしてくれなかった。

何故だ。

当時は分からなかった。

ただ意地悪でくれないんだと思ったが、でも、今なら分かる。

チョコに、それ以外のものが入ってただろうことは、容易に想像出来る。

女の執念は、ある意味怖いものである。

モテる男も大変ねと、それが廉夏の思いだった。

廉夏が、そう思ったとき、従業員が呼びに来た。

「そろそろ、お話はお済みになったでしょうか?」

「ええ」

冬眞が答える。

「では、ご家族や親戚のところへ、よろしいですか?」

「はい、話は終わってますから」

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