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ザシュッ!! パァァァン

モンスターが消え、経験値が入る


「ふぅ…今日はこの辺で終わりにしとこう」


額ににじむ汗をぬぐう


今までずっとソロでレベル上げをしてきたが、意外と慣れてくるものだ

1人で戦闘に集中できるし、アイテムも独り占めできる

だからやっぱり仲間なんて居なくても大丈夫だな、うん…


「…はぁ…」


俺は寝静まった草原を起こすほどの大きなため息をついた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2048年、4月


世界ではeスポーツが本格的に浸透し始め、ゲーム文化が瞬く間に進化を遂げた


そして、この文化の発展に目をつけた文部科学省がある極秘プロジェクトをうちのクラスに発表した


「我が日本では、ゲーム教育を推進し、実験として広島県立広島高等学校の教育の場に今年の春発売である新型フルダイブオンラインゲーム、''Grand Ambition''を取り入れる為にまず2ーAの生徒に1ヶ月間ゲーム内で生活してもらうことを発表する。」


そう、うち高校の教育にゲームを取り入れるのである

何とも、ゲームで色々なことを体験することで、今や色々な職業に関わっているゲームへの慣れを始め、色々な人と関わることで身につくコミュニケーション能力の発達、その他多数のポテンシャルの発達を目的としているらしい。


ちなみにGrand Ambitionは、中世をモチーフとしたオープンワールドのオンラインゲームで、ギルドを結成した仲間たちとモンスターを倒しながらレベルを上げていき、国ごとに与えられた領地をほかの国を倒すことで広げていき勢力を大きくしていくという趣旨のゲームだ。


そして見事対象に選ばれた俺達2ーAはなんと1ヶ月間の間ゲームに潜り続けなければならない


これにはさすがに人権侵害だの身体に影響が出るなど批判が多かったが、今では世界的に信頼を得ている日本医学が安全だと言ったことと実験対象のうちのクラスの8割が賛成したことで行われることが決まった。 まぁ、そうだよな、勉強するよりゲームしてたいのは気持ちは例え俺がぼっちだろうと同じだ。



そして今日、4月16日

満を持して新型フルダイブロールプレイングゲーム、Grand Ambitionが発売される

さすが全神経ごとゲームに移せる新型マシンだけあって、全国のロマンを求めるゲーマー達からその他大勢までが一斉に購入したため即完売。

しかも、このゲームのNPCにはAIプロジェクトにより感情を持っているため、人間のように成長しながら暮らしているというまるでゲームではなく別世界に行くような感覚を楽しめるのだ


ちなみに俺たちのクラスには、4月10日の時点で国から購入させられていたため全員持っている


そして4月17日の今日はそのゲームの初ログイン日



「はーいじゃあ今日はここまで、じゃあみんな一旦帰って荷物置いたら学校の手前にある国立病院に全員4時きっかりに集合ね。それでゲームにログインしたら始まりの広場みたいなとこがあるらしいからそこ集合ね~」


ひと通りホームルームでゲームのログイン時の設定の仕方を説明してもらったあと、ゲームに疎いであろう先生の口から始まりの広場という明らかにファンタジーチックな言葉が出てきて思わず笑いそうになる


「せんせーもログインするんですか??笑」


そう茶化すように言うのはクラスの圧倒的陽キャ 日賀 昇だ


「そうなのよ。なんか20代の先生達とその他希望する先生はこのゲームをやって生徒たちの監視、評価をしなくちゃいけないの。だからあんたら変なこと好き勝手やったら殺すからね」


「せんせーなら大歓迎!笑」


「はいじゃあ日賀は成績マイナスからスタート、と」


「うそうそ嘘!冗談ですごめんなさいぃ!」


クラスのみんながドッと笑う


(いいなぁ…俺もあんなのになりたかったなあ)


そう心の内で自分のクラスないポジションを嘆くのは、現在カースト最下位である俺、

夜雲 三月

あることが原因で嫌われ現在友達無し、彼女も当然いない


「まぁ、そういうことで、今日は解散!気をつけて帰れよー」


先生がそう言うと、クラスのみんなは各々の友達と集まり帰路へつく


ん?俺?1人ですけどなにか?別に1人でもよゆーですよ?

まぁさすがに女子の集団を追い抜かすのは無理だけど…

女子の小声で話す感じが自分の事のようで恐ろしい、実際は違ってても勝手にそうとらえてしまうもんなんだよな

男の子って繊細だから


ちょっ自分でも何言ってるかわからなくなってきたところで家に着く、


「ただいまー」


部屋にはいり制服から部屋着に着替え、事前に渡されていた説明書を読みながら病院へ行く準備をする


「えーと?なになに?ゲーム中現実世界のことは分からないため、体の状態に十分気をつけてからログインしてください。なるほど…」


説明書を読見終え、時間を確認するともう3時半すぎだ


「やば、もういい時間じゃん、いくかぁ」


説明書とどうしても食べたかった菓子パンを手に玄関を飛び出す


「いってきまーす」


見送ってくれる親はいない。ある事件の後から勘当されてそれっきりだ


カチャッ


玄関の鍵が閉まっていることを確認して、病院へのみちを走る


病院へつき、受付へ行って指定の部屋へ案内されると、そこには大量のベッドと点滴が置いてあった


「はい、じゃあみんな揃いましたね。それじゃあみんな出席番号順にベッドへ寝転んで下さい」


看護師であろう人物がそう言うと、1人ずつベッドへ寝転びカチューシャのような形をしたゲーム機を装着する


「全員準備は出来たようですね。それでは最後に注意事項を確認させて頂きます。まず、このゲームへログインした時点で1ヶ月のあいだはこちらへ帰ってくることは出来ないのでご注意ください。次にあちらでHPがゼロになり死んだ時は、手持ちの持ち物を全て落とした状態で始まりの広場に復活します。決してこちらに戻ってくることはありませんので、注意してください。最後に、こちらでの1ヶ月はあちらの時間の進みで約3年という長い期間になりますのでそちらにも注意してください」


学校で散々聞いていた注意事項を看護士が読み上げ、質問がないことを確認し、生徒たちに準備を促すと


「それでは!良いゲームライフを!」


そう言って電源をつけた


ーーブォォォォォンーー


『ログインを開始します』



ーこうして俺のゲームライフが始まったー


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