ことば
庭でチサと遊ぶ。
もちろん、サッカーボールで。
「やたっ!」
「うわ……やられた」
身長差を活かした股抜きを決められて、久しぶりの負けが確定。チサはぴょんぴょんと跳びはねて可愛らしく喜んでいる。
「くそ……。今度は俺がチンチンにされてるな」
呟いた言葉に、心乃美が反応した。
「お兄ちゃん、チサちゃんもいるんだよ? いつまでも小学生じゃないんだよ? もううんこおしっこちんちんでは笑えないんだよ?」
この妹は専門用語が全く通じないんだから、ほとほと困る。
「だから違うっつうの。なあ、チサ?」
お互いに長年サッカーをプレーしているんだから、これぐらい通じないと会話が成立しないだろう――――と、チサに同意を求めた。……しかし。
「ふぇっ!? え? えと……っ」
「………………あれ?」
ヤバい。なにこの反応。まさか……通じてなかったのか!?
「えっと……チサ。…………チンチンぐらい……わかるよな?」
「ふえ、え、あの、えと………………わ、わかりますけれど…………」
全力全開で顔を紅潮させている。
「はい、お兄ちゃんセクハラ確定。あうとーっ」
「マジか!? ずっと通じてなかったのか!?」
こんなもん、通じてなかったら単なるセクハラ、下ネタ、言っている俺はド変態だ。
「サッカーやってたら通じると思ってたんだよぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
自宅の庭で弁解を叫んで、それから俺はチンチンについてわかりやすく丁寧に説明した。年下の女の子に向かって、本当に酷い話だと思う。
……女子チームの中で、何人ぐらいが通じていなかったのかなあ……。
【立ち上げ編のあとがき】
一旦ここで物語は区切りを迎えます。
お付き合いくださった全ての皆様へ、心より感謝を申し上げます。ありがとうございます!
『小説でスポーツものは厳しい』と言われていることからも、サッカーを題材としてしまうと読んでもらえる可能性はかなり下がるとわかっていたのですが、どうしてもこれが書きたくて筆を執った次第です。
これが……と言っても、私はプロットが書けないので物語の全体像だけがぼんやりとあるだけで、チサも結衣もソフィも書き始めの段階では全く知らないというか、私としても『はじめまして』の状態でした。いたのは啓太だけ。さすがぼっち。
今ではどの登場人物も好きすぎて、あれ書いてないこれ書きたいあっちも書きたい――と書きたいことだらけです。
本編でない話をあまり長く書いてもお時間を使って読んで頂くことが忍びないので、続く『地方大会編』に向けての情報をほんの少しだけ書いて、立ち上げ編のあとがきを終えたいと思います。
地方大会編では、影の薄かった双子『倉並七海』と『倉並美波』に強くスポットが当たります。
才能を前に苦悩する双子、そしてはじめて参加する大会で啓太とソフィ、U15ガールズ!の十二人はどう戦いどんな結果を得るのか――。
評価や感想、ブックマークを頂けると何より嬉しいです。
それでは、よろしければ続く物語にもお付き合いくださいませ。
2020年1月7日 本山葵




