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こわさ
選手達が次々に戻ってくると、その中で果林だけが、泣いていた。
「どうした?」
どこかを痛めたのかと思って、俺は声をかける。
「こ……」
「こ?」
「…………怖かった。……皆が頑張って繋いでくれたパスを、ダメにしたら……って。また、スライディングで飛ばされるんじゃないか――って……」
ぐすぐすと鼻を鳴らして、溜め込んだ涙を決壊させている。
試合中、ずっと恐怖を感じていたのだろう。柳みたいなゴールキーパーを相手にして、よく頑張ったもんだ。
するとソフィが歩み寄って、果林を優しく抱きしめた。
「カリンのおかげで勝てたよ」
言われて、果林は更に泣いた。
――この場はソフィに任せておいて大丈夫そうだ。




