表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/123

第2話 順番

 監督がグラウンドに立つと、ウォーミングアップと遊びを兼ねてそこら中でボールを蹴っていた選手達が、ぞろぞろと集まってくる。


「背番号配るぞー」


 集合したところで監督が言うと、総勢四十名を超える選手達が一斉に「はい!」と返事をした。

 U15ガールズ――女子チームとは、声の数も色も、随分と異なる。


「一番――」


 それから全員の名前が、背番号順に呼ばれていく。

 三年生の中には見覚えのある顔と聞き覚えのある名前が、幾つかあった。

 ただ、男女混成チームに参加している女子選手は少ない。

 瀬崎せざき結衣ゆいと、ゴールキーパーの三年生手島(てしま)和歌わか。そして同じく三年生で、守備の要となるセンターバックを務める守内もりうち真奈まなの計三名だ。

 次々と背番号と名前が読み上げられていく中、三年生の二人は二年生に混ざった辺りで、そして二年生の瀬崎結衣は二年生の最後のほう、一年生の少し手前でようやく名前を呼ばれた。

 背番号がスタメンを確定することはない。けれど、その数字はチーム内での序列を如実(にょじつ)に物語る。

 サッカーは十一人で戦う競技だ。十一番までの小さい数字であればスタメンスターティングメンバーに近く、そこから離れれば離れるほど、遠い。

 二十番台の三年生二人と三十一番の瀬崎結衣は、U15混成チームの公式戦スタメンに名を連ねることが難しいだろう。

 年齢制限がU14(十四歳、中学二年生以下)であれば、瀬崎は……。いや、呼ばれた順で言えば、どちらにせよ厳しいか。


「うわっ、瀬崎のやつ三十番台だぜ」

「新人戦じゃ十番だったのにな。ま、女子が俺達についてこれるわけねえよ」


 うーん。あまり聞きたくない会話を耳にしてしまったなぁ。

 監督やコーチは前にいるから聞こえていないだろうけれど、俺は監督がよく見えるように選手の後ろへ陣取ったから、不意に彼らの陰口が聞こえてしまった。

 しかし俺に聞こえているのだから、瀬崎にも聞こえている可能性は高い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ