第7話 雨の日の知らせ
観念して全ての事情を打ち明けると、チサと心乃美は一様に驚いた顔を見せた。
親父はすでに知っていたし、結衣の通院に付き添うことも今日診断結果が出ることも全て知っていたから、よーく考えると今回の事件の犯人って親父じゃね?
……まあ、それはさておき。
青春を謳歌していない件については心乃美が大賛成して、二人きりではなくてチサと心乃美、更にソフィを含めた五人で遊びに行こうという話になった。
そのほうが俺も落ち着くから、結果として良い方向へ転んだのだろう。
チサがまだしばらくは松葉杖だから、少し先の予定にはなってしまったけれど、ほんの少しのこと。
季節の流れを感じていれば一瞬に過ぎ去る程度。
なんなら、俺が車椅子を押してやってもいい。
U15ガールズの選手たちにも結衣の状態を説明して、六月の試合は結衣とチサの二人を抜きにして戦う可能性が高く、そうなると戦力ダウンどころか交代枠もないという非常事態で挑むことになる、と伝えた。
棄権して三位のチームに出場権を譲ろうか? という提案もしてみたが、一人として賛同はしなかった。
結衣とチサがいなくても、戦う。
戦える。
――いや、いないからこそ、戦えないなんて選択をして心配をかけさせたくないのかもしれない。
二人の天才を欠いたチームがどうなるか……。こればかりは実際にやってみないとわからない。しかし不安だけではなく、六月を楽しみに思えている自分もいた。
それほどに彼女たちの成長は、早い。
実は結衣と俺の間には、あの告知を受けた日に、もう一悶着あったのだけれど……。それは俺と結衣だけの秘密になっている。
そして五月が終わりかけ、チサの松葉杖がもうすぐ不要になる頃。
急な雨に見舞われて、梅雨前線が活躍するにはまだ早いけれど、五月だからこれは五月雨か蝉時雨なのか? なんてことを考えながら、俺はソフィと一緒に屋外練習を市営体育館での練習に切り替える告知作業に勤しんでいた。
ソフィは自前のノートパソコン。俺は事務所のデスクトップパソコンで作業に取りかかる。
少しずつ事務作業の手伝いにも慣れてきて、指導者だけではなくレポロの運営という中で戦力になれている感覚が、増してきた。
すると懐古的な音でメールの通知が鳴って、選手か保護者からの連絡かと思い、俺はそのメールを一つも躊躇わずにクリックして、開封する。
「…………なんだ、これ」
「――あっ!!」
ソフィが慌てて画面の文字を覆い隠した。
「おい、今の……」
「これは…………その…………っ」
メールタイトルは『|Going to Japan《日本へ行きます》』。
俺の在籍するアカデミーチームが日本へ来ることを知らせていて、更に本文では、『啓太を準備させてくれ』――と記されていた。
【地方大会編のあとがき】
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
昨年十二月より投稿をはじめて、第一章は一日二回、第二章は一日一回というペースで投稿させていただきましたところ、まさかの第二章完結がちょうど私の誕生日になりました。誰か祝って。
本作は『一話一話書いて投稿』ではなく、第一章を完結させてから第一章第一話を投稿――という形を取らせていただいています。
そして2020年3月7日現在、第三章『復活編(仮)』は終盤に差し掛かるところまで書き終えております。
更新再開までそう多くの時間はかからないと思うので、ブックマークをそのままに(まだのかたがいらっしゃれば、ぜひ!)して頂けると幸いです。
評価のほうも大募集中です。下にスクロールすると項目が出てきます。
『小説家になろう』でヒューマンドラマは人気ジャンルと言えず、中々人目に付きません。
しかしながら、お一人のブックマークと評価でジャンル別の日間ランキングに入ることが叶い、そうすると人目に止まるようになります。
【ブックマークと評価を入れてくださったかたへ】
本当にありがとうございます!
おかげさまで本作はヒューマンドラマジャンルで一時、日間18位まで躍進させて頂きました。
普段は500~600のアクセス数が翌日は約2300となり、しばらくは1000を超え――。効果の絶大さを再認識した次第です。
作品を読んで頂けた上に評価まで……。感謝が絶えません。
私ができることは書くことだけなので、第三章もお楽しみ頂けると幸いです!
頑張ります。




