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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

アリとキリギリス

作者: ココペリ

 昔々ある所にニートのキリギリスがいました。

 

 ある日働き者のアリがキリギリスに問いかけます。


「どうして君は仕事もせずに毎日異世界小説ばかり読み漁っているの?」


 キリギリスは言います。


「いつか僕は異世界に転生して勇者になるんだ。今の世の中、どんなに努力しても無駄なんだよ。だから来世に期待するしかないんだ」


 その時のアリは、そんなことない。努力して働けば働いた分、将来大きな見返りが返ってくるんだと信じて疑いませんでした。


 数年後、キリギリスがトラックに撥ねられて亡くなったことをアリは知らされます。


「キリギリスくんは今頃異世界で活躍しているのかな……」


 そう言ってアリは、車道を走るトラックの前に自ら身を投げ出します。

 実はアリは、会社をリストラされたばかりでした。

 長年身を粉にして会社に尽くした挙句、真っ先にリストラされてしまったアリは、理不尽な世の中に絶望してしまったのです。


「キリギリスくん……僕も異世界に転生して勇者になれるかな?」


 けたたましいクラクションが響く中、目前に迫るトラックを見つめながら、アリくんはにっこりと微笑みました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] キリギリスが毎日異世界小説ばかり読み漁っているところが良かったです。
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