~森の主 くり坊との出会い
僕は、父上に、遠出の許可を貰い、マリオネットの馬に跨ると、片腕のユノと共に、国の外れの森に出かけます。
美しい森の緑と、冷たい泉が流れるそこでは、いつも四季折々の花が咲き乱れ、木上には色とりどりの鳥がとまり、美しくさえずっていて。
僕が、その美しい光景に見惚れていると、片腕のユノが、ふっと片腕を上げ口元に指を持っていくと指笛を吹きます。
独特な音は鳥のさえずりの声のようにも、空気が水をすり抜けるような音にも聞こえました。
僕が、思わず、片腕のユノを見つめていると、片腕のユノの周りが突然ゆがみ始めます。
……と、思ったときには、僕もその歪みに巻き込まれていました。色とりどりの花や木の葉の色が、ただの色の交わりに見えるほどに空間が震え、渦のようにかき乱れたと思うと、一瞬ののちに、それは、霧が晴れるように、パッと消えたのです。
……僕は、一瞬にして消失した歪みに眩暈を覚えながらも、混乱した頭を振り、くらくらする視界を何とか正常に戻そうとします。
ふわりと、目の前の風が動いたと思ったとき、
……そこには、巨大なマリオネットが僕の目の前に寝転がっていました。
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知らず、隣に控えていた、片腕のユノが僕に小さく耳打ちをしました。
「彼が、この国の力の源、森に住まう獣のマリオネット、”くり坊”です」
僕は、巨大なふわふわの毛玉のような”くり坊”に唖然とした目を向けました。




