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~悩みと人となりと(12)


 老人は、さて、と、話を変えるように呟くと、柔らかく笑みをこぼし、僕に手を差し出した。

 

 「……今日は、もう遅い。君たちマリオネットは、眠らなくとも、小休止は必要な筈だろう?君に豊かな休息をとってもらう為にも、君の部屋に案内しよう。……メアリー……僕の煩い……もとい、元気で小さなお姫様に興味を抱かれないように、君を隠して歩かなければならないから、また君を抱えさせてもらえるかな?……この屋敷は案外危険でね」


 そう、面白がるように言った老人に僕は頷いて、彼の手を取り、大人しく抱えられる。……と、言っても、ゆりかごのようなふわふわのクッションが敷かれたバスケットにふんわりと乗せられて、見えないように薄い布をそっと被せられた。息が苦しくないようにと、少し視界がきくように、僕の顔の辺りは掛からないぐらいにふわりと被せられたそれ。


 薄い本を僕は大事に抱えて、老人に運ばれる。


 **


 ……と、準備があらかた終えた所だろうか……?ぱたぱたぱたと、こちらに来たばかりの頃きいた、あの、柔らかいものが駆けてきたらこんな音だろう音がして、にぎやかな声が響いた。


 「おじいちゃん!」


 老人が笑ったようなしぐさがバスケット越しに感じ取れる。少し揺れた。


 「……おやおやメアリー、ノックもなしに部屋に入ってくるとはレディとは思えないね」


 メアリーと呼ばれた子は、少し、言葉を詰まらせて


 「……ご、ごめんなさい!……でもあの、おじいちゃんが大事にしているあの、ガラスのマリオネットが消えちゃったの……」

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