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~悩みと人となりと(2)

 アルべに聞かせてやりたい、そのように老人がこぼしたのを僕は、驚きながらも聞きたくてたまらなくなった。アルべという製造者名が掘られた腕を大事そうに見つめていた片腕のユノの様子が瞼の裏に思い浮かんで、僕は勢い込んで老人に尋ねようとする。


 「アルべ……、僕、その方のお名前を知っています。僕らの国の始まりを本に書かれた方で、片腕のユノというマリオネットの製造者の方です。僕は、その方とお話がしてみたいのです。アルべさんは今どこにいらっしゃいますか?」


 目の前のことにくらんで、と言ったら表現が悪いかもしれないけれど、僕は、あまりにも僕が知りたい事柄を目の前に示されてあまり冷静にはなれていなかったようだった。アルべにも聞かせてやりたいと口にした老人の表情をめにすれば、僕がそのように言うことがこの優しいだろう老人を悲しませるような顔をさせることはなかった筈なのに。


 老人は、僕の言葉に一瞬言葉を失ったようだけれど、……敢えて、すぐに言うことはためらったらしい。ひどく傷ついた顔をしながらも、一瞬後にはにこりとして、老人は僕を迎え入れたんだ。


 「そのような話は、またおいおいしよう。やあ、私は君のような可愛らしいお客さまをずっと待ち望んでいいた気がするよ。私の屋敷に来てくれて、本当に有難う。まずは、私の部屋にご案内しよう。このような場所でのお話ではあまりにも大事なお客さまに申し訳ない気がする」


 そう、茶目っ気のある笑顔を浮かべた後に、彼は歓迎するように僕に向かって手を拡げたんだ。

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