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~悩みと人となりと (1)

 「……メアリー?……えっと、僕は、マリオネットの国というところから来た、マリオネットです。名前をクロと言います」

僕は、老人に向かって深々と頭を下げた。老人は、よく解らないような曖昧な目をして、口元をまだ笑いかけのなりそこないのような微妙な加減の口元のまま固まったようだった。そののち、目元が見開き、そのまま口元が開く。それは、僕も知っている、驚いたときの僕らの表情と似ていた。


 「……マリオネットの国……ああ!まさか、このようなことが……!ああ、信じられない……アルべ……君にも聞かせてやりたかった……いや、しかし、でもまさかこのようなことが……ああ、頭がおかしくなりそうだ」


 老人は、次第におろおろと悩み始めてしまったようだった。僕は、所在なさげに、そのような老人を見つめるしかない。正確には、僕は困ってしまって、ただただ、身を小さくしていた。つい、老人に向かって自らのことを名乗ってしまったけれど、そういえば、僕は老人と直接こうして話してはよくなかったのではないだろうか、今更ながらぐるぐるしながら僕は老人を見つめる。


 僕から見ても小さな老人は、けれども、ひどくこの本ばかりの場所にすっきり馴染んで見えた。僕はどのように見えるのだろう。このような場所に似合いではない気がする。焦った心境のままそのようなどうでもよいことをぐるぐると考え込んでしまう。



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