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~人好きのする老人

 夜になって灯が暮れても老人は熱心に本の選別を続けている。僕は、何故だか、隠れて見ていることが辛くなり、敢えて老人に気づかれるように音を立てて後、穴の先に足を投げ出し顔も僅かに覗かせた。同じ目線にあった老人が驚いたように僕の方を見つめ、僕は、にっこりと老人に笑いかけた。

 老人は、困ったような気難しいような、それとも少しだけ弱々しいようなそれらの感情が入り混じったような表情をつくると、一拍、空白を置いた後に、唐突に張りのある声を上げた。

「ははあ、すっかり騙されたよ!そこに居るんだろう?メアリーの悪戯だろう!」

 張りのある声と面白がる瞳はどこか少年のようで、僕は、この表情豊かな快活そうな老人に対して好感を抱いたんだ。そう、彼は、人好きのする老人だった。

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