109、はるかなエピローグ
最終回です。見てくれた皆さん、本当にありがうございます。
「おっちゃん、1本ちょうだい♪」
「おっ、お金は持ってるか?。無かったら1本までならタダにしてやるぜ」
「大丈夫だよ。はい」
「はいよ、お嬢ちゃん。まだ熱いから気を付けてな」
フェルムスティアの都が王都と呼ばれるようになって100年もの月日が流れていた。
精霊樹の都とも呼ばれ、今も妖精が都を守護していると人々は信じている。
そして この国で唯一、海に繋がる道が有り、海岸線に作られた街との流通によって(運が良ければ)新鮮な魚の食べられる都でもある。
そして、この都のもう一つの顔が「最も子供に優しい都」と言われているほど子供を大切にしている所だろう。
その理由として、実話として語り継がれている「救国の妖精」が子供の姿をしていた事が原因だと言われる。
あるときは少年として語られ、また美しい小さな少女としても伝えられている その妖精には、多くの吟遊詩人を養うほどの様々な逸話が残されている。
闇を消し去る巨大な閃光によって 数万の魔物を消し去った話や、貧しい村に食べ物を与え ゴリの大群を一夜で全滅させた逸話など、都だけではなく国中にその伝説は残されている事から フェルムスティアの都は一度は訪れてみたい憧れの観光名所にもなっている。
そんな背景から都の人々の多くは 小さな子供たちを温かい目で見るようになり、他の街では生存率の低い孤児たちに対してもフェルムスティアの人々は寛容な態度で接していた。
その中でも特に屋台で食べ物を売っている店主たちは小さな子供を大切に扱っている。
広場の屋台を気に入った妖精が 時に売り切れるほど買占め、時に数日は仕入れなくても良いほどの貴重な肉をタダで提供したと伝えられ、美味しそうに食べるその姿は万来の客を引き寄せたと言い伝えられていたからだ。
事実、その当時の屋台は大変な収益を上げ、今では都内の名店として一等地に店を構えている店も有るのだった。
そんな訳で、小さな子供が屋台に来ると縁起が良いとして 店主の多くが子供を大切に扱っている。
中には気が合う孤児に仕事を手伝わせる事で生活を支え、引退する時には店を譲られる事まであった。
美しい黒髪の少女が美味しそうに肉串をたべている。
それを嬉しそうに見守る店主の男も 孤児であるが屋台の仕事を教えられ、店を譲り受ける事が出来た一人だった。
少女がベンチに座って食べている様子は幸せそのもので、見ていた人々の足を自然と屋台に引き付けていた。
少女は食べ終わるとテクテクと屋台に近づいてくる。
「おっちゃん、美味しかったよ。もっとほしい」
「おっ、嬉しいね。そいじゃ もう1本ね」
「ううん、違うよ。50本ちょうだい。ハイ、お金」
「おおーっ、こりゃあ可愛い妖精さんが来てくれたな。少しまっててくれよ、急いで焼き上げるからな」
「うん」
伝えられる妖精の逸話には屋台で50本の大量買いをする様子が語られている。
それにあやかって「子供に魔法の才能が有りますように」と願う親が自分の子供にお使いをさせる事が少なくない。(まぁ普通はその時には親が付き添うのだが・・・)
それもあって 子供からのいきなりの大量注文にも店主は慌てる事が無かった。
まして、店主にとっても縁起の良い、嬉しい注文である。
客の子供を妖精として扱うのも そんな気持ちの表れであった。
「はいよ、お嬢ちゃん。肉串50本焼きあがったぜ。二本オマケに付けておいたから、また食べに来てくれよ」
「ありがとう♡。おっちゃんも頑張ってね」
「ははは、まいどー・・・あっ!」
少女を見送っていた店主は驚き言葉につまった。
そして 自分の目を疑った。
離れていく少女がスッと消えて居なくなってしまったからだ。
彼だけではなく 様子を見ていた客達も同じで 皆が声を無くしていた。
気を取り直した店主がふと屋台の上を見るとキラキラとした小さな物が乗っていた。
それは色鮮やかで四角く、何かの飾りと言われれば信じてしまうだろう。
しかし、それを否定するように そのキラキラからはほのかに甘い匂いが感じられた。
「こ、これはまさか、伝え聞く『妖精の菓子』。
言い伝えの通りだ、何て美しい、これが本当に食べ物なのか?」
「「「「なっ、なにぃぃぃーーっ」」」」
他の屋台の店主も周りの客達も一様に驚きの声を上げた。
それもそのはずで、近年 ごく稀に訪れる妖精が気に入った食べ物を出す屋台の印として、他では手に入らない貴重な至高の菓子を置いていくという話は公然の事実として知られていた。
しかし、都市伝説と同じで その場面を直接見た者は極めて少ない。
普通なら笑い話で終わる。
だが皆、先ほどまでの少女と店主のやり取りを目の前で見ていたのだ。
まして消える瞬間すら見ていた。
よって 店主の言葉を疑う者はいなかった。
妖精の逸話を信じる人々だ、貴重な場面に立ち会えた人達の興奮は計り知れない。
そして、目の前で消えてた妖精はやはり美しい少女だったとして、新たな逸話は瞬く間に国中に広がっていく。
「師匠、やりましたぜ。俺の作った肉串が妖精に認められた」 ううっくっ(涙)
「「「「おおーーっ、おめでとう」」」」
心からの祝福と少しの嫉妬の声を贈られた店主の屋台は瞬く間に売り切れとなり、都に新たな伝説を残す事となった。
後日、『妖精の菓子』を王宮に献上した店主は報奨金と共に、妖精に認められた店の証である看板を贈られた。
それは店主にとって お金には代え難い名誉の勲章であった。
名前に溺れて仕事に手を抜かない限り、彼の店が安泰である証なのだ。
話を聞いた他の屋台だけでなく それ以外全ての飲食店が 俄然やる気を出したことで、この後 都の店全てが腕を上げたと言う。
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「ピアー、買って来たよ。一緒に食べよう」
「ハルカまた街に行って来たの?。行く度に騒ぎになるから止めたほうが良いよ」
「ふーん。じゃあ 自分だけで食べようかなー」
「あーっ、酷いよ。見せられたら食べたくなるじゃない」
「2人共、わしを忘れないでほしいニャ」
今では殆ど精霊樹と一体化して、外からは見つけ難くなったハルカの秘密基地は、すっかり精霊達のたまり場と化していた。
そう、地球に転生する権利を失い、そのせいで この世界の輪廻からも外されたハルカは、その存在の持つ力によって消えずに精霊となってしまった。
もとから精霊との接触が多かったので馴染みやすかったのかも知れない。
地球で言うなら輪廻の輪から解脱した事になるのだろうか?。
インドの修行者が泣いて羨ましがる究極の地位にたどり着いた事になるが、はたして彼らが思い描いた姿なのかは分からない。
ハルカだけではなく、魔法で生まれ変わった存在だったせいかノロまで精霊として
ハルカとともに蘇っていた。
そして、ハルカたちが精霊樹に住み着いた事で多くの精霊達が遊びに来る事となり、フェルムスティアはまさしく精霊の都となっていた。
「ハルカー。都で大騒ぎになってるよ。あーっ、やっぱり食べてる」
「マウラ、また窓から入り込んで・・行儀悪いよ」
「ほら、大騒ぎになったでしょ。ハルカは精霊になった自覚を持つべきだよ」
有名な錬金術師でもあるマウラは 半分魔族の血を引いているせいか長生きで、今では数少ない貴重なハルカの友である。
彼女は今でもハルカが大好きで、その思いが彼女の姿を中学生くらいの大きさまで成長させていた。
今ではマウラの名前を伝説の錬金術師と結びつける者は無く、彼女は一般的な効能のポーションや魔道具を作って出荷し、平和な生活をおくっている。
しかし、たまに彼女の技術を知って利用しようと考える不埒者が現れるが、彼女と
馴染みの有る三大商会が闇に葬ってしまうという。
そんなマウラだが、自分の作り上げた高度な作品が使われないのも欲求不満であり、ハルカに頼んで迷宮の深い所に宝箱として置いておくイタズラをしたりしている。
また 気に入った冒険者には通路に先回りして宝箱を置いておく事で彼らを支援したりしていた。
ハルカの仲間は今日も平和なのであった。
「食べたい物が有ったら買ってきてあげるから、しばらくは 姿を現して都をうろつくのは禁止ね」
「ぶーっ、それじゃつまらないよ」
「ほとぼりが冷めるまでのガマンよ。精霊殿にでも遊びに行けば良いのに。歓迎されるよ」
元々が精霊であるピアには分からないが、人間であったハルカにとって人間界から離れるのは寂しいものがあった。
人間だったころは世間が鬱陶しいと思っていたのに皮肉な話ではある。
グルルルキュュ
「分かった。退屈だし 一緒に行こうか」
今度は窓から飛竜のドンが鼻面を出して何やら訴えている。
精霊化した事でハルカにもドンの気持ちが分かるので会話が成り立っていた。
都に沢山の獲物が近寄って来てるから食べに行きたいらしい。
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「失礼致します、騎士団長。火急の知らせが届いております」
「む、話せ」
「巡回中の騎馬隊が都に向かうコッケーの大群を確認いたしました。警戒されたしと魔法書簡が届いております」
「ちっ、また来たのか。騎士団、全軍出撃用意。陛下には私から報告する。三十分以内に準備せよ」
「はっ」
大きくなったのはフェルムスティアの都だけでは無かった。
以前 ハルカと戦い、シーナレストを瀕死にまで追いやった巨大なニワトリであるコッケーの群れは 丘をナワバリとして成長し 大きな勢力になっていた。
大所帯となり大量の食べ物を必要とする鳥達は、近年 都の穀倉地帯を荒らすようになり 騎士団は対策に頭を抱えている。
4メートル近い長槍を装備した騎馬隊が後方支援の魔術師部隊と共に出陣していく。
冒険者達にも緊急招集がかけられ畑を守るべく配置に付く。
総勢千二百名が参加する戦いであり、言わば鳥と人間の戦争である。
やがてコッケーが見えてきた。
トラックなみに大きいニワトリが100羽近い群れを成す恐ろしい光景である。追い払う事が出来なければ穀倉地帯の作物は全滅するだろう。
ましてコッケーは人間すら襲って食べてしまう。
お互いの生存をかけた戦いが行われようとしていた。
「魔術師隊は敵の前面にファイヤーウォールをしかけよ。敵が速度を落としたら一斉に矢で攻撃。迂回してきた敵を騎馬隊が迎え撃つ。群れから外れた奴は冒険者諸氏に任せる」
指揮官からの声は次々と復唱され伝えられていく。
かなり手前に発動したはずの炎の壁は ギリギリでコッケーを足止めする事に成功した。
足が速くすばしっこい動きをするコッケーは 群れで動いている時の方が攻撃が当たり易い。
弓隊は一斉に矢を放ち、まだ余力の有る魔術師は炎の玉を打ち込んでいく。
使い魔を飛ばし 上空からコッケーの群れが炎を回避してどちらに向かうのかが分かると、騎馬隊が一斉に走り出す。
中には10メートルの高さを飛び越えてくる猛者の鳥も居たが、矢と魔法の集中砲火を受け、落ちたところを冒険者たちに足を狙われていた。
炎を回避していよいよ走り出そうとした鳥の前衛は 炎を隠れ蓑にして待ち構えていた騎馬隊に横から襲撃を受け、足に深手を負って勢いのまま転がっていく。狙うのは徹底して足、それもウロコの有る硬い部分には目もくれず、的の大きなモモに槍を突き刺していく。走れなくなれば後で何とでもなるからだ。
ここまでの作戦で10羽ほどのコッケーが行動不能となった。
しかし、大変なのはこの後である。
瞬発力が馬よりも高い鳥が相手なので 騎馬隊が機動力をもって翻弄する手は使えない。むしろ鳥が各個に動きまわれば思わぬ大打撃を受けてしまう。
騎馬隊は鳥の注意を引き付けながら 立ち上がる炎にそって後退するという難しい動きをしなくてはならない。
馬も日頃から後ずさる動きを訓練しているので慌てるものはいない。長槍と鳥のくちばしによる鬩ぎ合いを繰り返しながら少しづつ下がっていく。
「くっ、これ以上は槍がもちません」
「もう少しだ、こらえろ。くそっ、腹の立つ鳥どもがぁ」
引き付けていた騎士達の中には槍が折れる者も出始め、交代するも徐々に限界が近づいて来ていた。
「よし、今だ!。撃て」
空気を切り裂く無数の音が近づいて来る。
有る程度 数が引き寄せられたところに二度目の矢と魔法による一斉射撃が行われたのだ。
巨大な生物との戦いは ギリギリの駆け引きをして やっと対等に戦えるほど大変なものだった。
それを あっさりと葬っていたハルカの魔法がいかに非常識なものであった事か。
命中精度の高い魔法が騎士と競り合う鳥を狙い、低い矢は離れた固体を狙う。
羽根にはじかれる矢も有るが、魔法と合わせてかなりの打撃を与えていた。
「よし、奴らが混乱している隙に騎馬隊を呼び戻せ、次の作戦に入る」
合図の音が鳴らされ旗が振られる。
それを待ちわびていた騎士隊が動こうとした時、弱くなった炎を突き抜けて巨大な影が隊列の真ん中に飛び込んだ。
「うわぁぁー」
クケーーッ
一際大きいオスのコッケーは一瞬で騎士達を文字通り蹴散らしていく。
鍛えられた馬たちもこれには混乱し、あっという間に隊列は瓦解していった。
「隊長、こちらに向かって来ます」
「あれが鳥共のボスか。ふっ、賢い奴よ。わしが指揮官と見抜いておるわ。
弓隊と魔術師隊は下がれ、それ以外は抜剣せよ。魔法の使える者は至近距離からの使用も認める。正念場だぞ、気張れよ」
おおーーっ
キシャーーン☆
一斉に剣を抜く乾いた音が響く。
威勢の良い声とは裏腹に状況は不利だ。
騎士団長は自分の死を覚悟していた。
そんな騎士達の間を一瞬ですり抜けていく白い影。
「うおっ、何だっ‼」
体勢を低くして高速で走る姿は白いネズミのような印象を受けるが、揺れているそのシッポはネコのそれであった。
怒涛の勢いで迫っていた鳥のオスは野生のカンで危険を感じ、接触する寸前に横に飛び回避する。
その一瞬で強固な硬さを誇るボス鳥の爪が切り飛ばされていた。
もう少し深ければ指を失っていただろう。それは鳥にとって致命的と言える行動阻害をもたらしたはずである。
勝利に突き進んでいたコッケーのリーダーは 此処に来て命を掛ける戦いを要求される。
「何だ、あれは。どういう事だ」
「も、申し訳ありません、勝手な事をして・・。ハァハァ」
「・・うちのリーダーは無鉄砲なもので・・・ゼェゼェ」
見ると 息を切らせた冒険者であろう魔術師の少女と 盾を抱えた剣士風の少年がいる。
「では アレは冒険者という事なのか?。魔物でも出たのかと思ったぞ。何と言う動きだ」
騎士隊が死を覚悟した相手に切り込んで動きを止めてしまうなど、今や最強として語られるパーティ以外に聞いたことも無い。
騎士団長が困惑する間にも 巨大な鳥と白い影は緊迫した戦いを繰り広げている。
とても他のものが入り込む余地など有り得なかった。
「あぁ、もう。ハルトったら」
「すまぬが、アレが何者なのか教えてくれんかな?」
「えっ、あっ・・はい。彼は私たちのリーダーでハルトと言います。先月 冒険者になりました」
「なんと?。冒険者になりたての動きとは思えんが・・」
「剣は子供の頃から祖母に習ったと言ってました」
キィーーン☆
かん高い音が響き渡る。
戦っていた少年の剣は根元から折れていた。
「やべっ、バァちゃんの剣を持ってくるんだった」
形勢は逆転し 少年は逃げの一手となっていた。
身体能力が高いのかニワトリの連撃も難なくかわしてはいるが いずれは体力も尽きるだろう。
「ちくしょう、鶏肉の分際で好き勝手しやがって」
コッケーーーッ
その声はまるで「ウルセェ」と鳴いているように感じられた。
意思の疎通が出来るほどライバルとなったようだ。
しかし、そんな攻防は3分ほどで終わりをむかえる。
次の瞬間、ボス鳥もハルト少年も 恐怖で身が竦み動けなくなる。
ハルトのネコミミが上空からの危険を知らせていた。
ズーーーンッッ☆
勇壮を誇ったコッケーのボスは最後の声をあげる間も無く、上空から降下した巨大な影に押さえつけられ、首を噛み切られていた。
ハルトの目の前には見上げるほど巨大な飛竜が居座っていた。
小さなハルトなど眼中に無いらしく、当然のように仕留めたニワトリを貪っている。
ハルトは初めて感じた恐怖に身が竦み動く事はできないが震えてはいなかった。
彼が非凡な才能の持ち主なのを証明しているかのようである。
「キレイな耳とシッポだ。それに・・懐かしい匂いがする。君はシェアラの子孫なんだね」
「!」
ふいに声がかけられ横を向くと、となりに黒髪の少女が立っていた。
その顔は愛らしく ほのかに甘い匂いがしていた。
「シェアラばあちゃんを知ってるのか?。何で君みたいな子供が・・ずっと前に死んでるのに」
「そうか・・時代は変わったんだね。彼女とは仲の良い友達だったんだ」
寂しそうに視線を空に向ける少女の姿は、何度と無く祖母が語ってくれた愛しい恩人の姿と同じであった。
「君の獲物はドンが食べてしまったから、代わりにこれをあげるね。シェアラが大好きだったから 君も気に入ると思うよ。ココをはがして食べてね」
少年の手には 透明なものに包まれた小さな容器が三つ並んで乗っていた。
シェアラが大好きだった市販のプリンである。
飛竜が動いた。
気が付くと 何時の間にか少女は飛竜の背中に乗っている。
彼女がハルトを見つめるその目は優しく 祖母のような慈愛に満ちている。
飛び立った飛竜が見えなくなるまで 彼がその場を動く事はなかった。
呆然と見ていた騎士達が我に返ると、既にリーダーを失ったコッケーの群れは逃げ去っていた。あたりには20羽ほどのコッケーが走る事が出来ずにジタバタしている。
都の危機は去った。
そして 彼らは思いだした。
かつて この都は妖精の友である飛竜が守っていた事を。
妖精が姿を現さなくなって飛竜も居なくなったと思われていたが、巨大な飛竜は今も精霊樹に住み着いているらしい。そして、その背中に乗っていた小さな少女こそ 何度も国を救ったという伝説の妖精ではないのか。
「うおおおーーーっ、妖精万歳。フェルムスティア万歳」
興奮した誰かが上げた勝ち鬨は瞬く間に全軍に広がった。
この日、都は喜びの宴で満ち溢れていたと言う。
************
稀代の魔法使いであったハルカに関して公式に残された文章は無く、歴史書にもその偉業は語られていない。
それもそのはず。ハルカの物語は 今も精霊樹に住む妖精の伝説として知られ 語り継がれているのだから。
Fin
無事に完結することができました。
現時点で 総合評価855。
ユニークが63,779。アクセス数が374、087という結果になりました。
書いている途中で発表するとあざとい気がするので最後に書きます。
気にしないつもりでいるのですが、やはり見に来てくれるのは嬉しいもので、
ついつい気に成ってしまいます。
まぁ、人気の有る作品から見たら鼻で笑える数字なのでしょうが、
個人的には大変嬉しく思っています。
コミケなどに自分の作品を持ち込んで参加した人なら分かると思います。
これだけの人に手に取ってもらうだけで どれほど大変なのかを。
その辺を語ると長くなるのでしませんが、とにかくネットだからこそ
私などの書いたものが見ていただけたのですから有り難い限りです。
目の前で読まれる羞恥プレイも無いですしね。ありがたや、ありがたや。
覗きに来てくれた方も、長く読んでくれた方も有難う御座います。
また 書くことがありましたら見に来てくださいね。ノシ