まえがき
さて、前書きです。
わたし自身の詳しいプロフィールや生活状況を晒すと羞恥心が駆けずり回りかねないので、その辺はぼやかして綴りますが、まずはタイトルの意味と本エッセイのテーマから。
きっかけは、とある音楽番組での問答でした。
ゲストにイケメンな僧侶が来ていました。
とあるアイドルグループが僧侶に質問をして仏の道を学ぼうという企画。
さまざまな質問の中で、アイドルの一人(食いしん坊で甘えん坊で泣き虫でみんなの妹:注、順不同)が、いつも食事に行ったときに、何を食べようか迷って決められないという(どうでもいい)悩みを打ち明けていました。
それに対する僧侶(普通に言えばお坊さん)の答えが、わたしの中にすっと入ってきました。
原文は忘れてしまったので、含蓄ある風にねつ造します。
ひとつには、その食事が最期の食事になってもよいぐらいに熟考して、後悔のない道を日々歩み続けるのも大事なことなのです。
しかし、明日もまた食事のときはやってくる。今日失敗したって明日また成功を目指して生きてゆくこともひとつの考え方。
一見すると――実際には聞いていたので一聴――、矛盾をはらんでいますし、結論としては、適当でいいんだよ~とも聞こえかねません。
ですが、それこそが、日々を平穏に暮らすために必要な考え方。
悟りに至る道ではないかと。
現在のわたしの主食は物書きです。
しおりん(ももクロの黄色)の質問である、食事のメニューに悩む。
それを、作品の執筆に当てはめて考えてみると。
さまざまな方向性が見えてきます。
両極端な二本の道を指し示すと、
一話一話、一文一文、一語一語、一文字一文字、全身全霊をかけて、己の全てを注ぎ込み、入念な準備をもって、書き綴る。
常に最善を尽くす。
それもまたひとつの書き方。
ですが、誤字脱字程度なら明日でも修正できる。
物語の流れだって完結してから書き直したらいい。
そんなに必死になって書くほどのことでもなくね?
前者がこのエッセイの中で今後多用されるらしいホットという考え。
そして、後者がフラットです。
このホットとフラットの定義や捉え方すら、時と場合によって変わります。
現在、この世界にはさまざまな宗教、思想があります。
どれが正しくてどれが間違っているとかはありません。
人はひとつの考え方に固執してしまいがちです。視野が狭くなりがちです。
目標は大事。努力も必要。
それがホットな部分。
ですが、長い人生です。フラット、つまり起伏の少ない平坦な日々を過ごすこともまた必要ではないかと。
本質的に自堕落な人間ですので、基本をフラットに、そして時々ホット。
そんな意味を込めたタイトルなのです。
ちなみに、ももクロちゃんの中では紫が好きです。
最近ではたこ虹ちゃんの緑を応援しています。