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ダブルス  作者: aruko
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三話 ~生きる術~




とりあえずメニューをいじってわかったことがある。


基本的には「ストレートストーリー」のスキルプレートと、メニューのスキルノートは同じものである。

しかしステータスの面でいろいろ違う点もある。


ステータスを上昇させる効果のスキルは名前の最後に「技」が付くスキルであることが分かり、基本的に最後に「技」が付く名前のスキル(剣技や槍技など)のステータス上昇効果は重複しないが、複数職を持っているため例外的に重複してステータスを上昇させるスキルがあることがわかった。

またその上昇値はその職のレベルに対応しているようだ。


分類として「剣技、槍技などの直接攻撃することを目的とした物理技系」、「魔技」、「聖技」の三種類に技系は分けられ、その三種類はステータス上昇が重複することが判明した。

このことが分かったおかげでステータスは最初と比べるとかなり値が上昇した。

あとはステータスに反映されないが「身体強化L1」などのスキルがある。

上昇値は分からないが、とりあえず取っておくにこしたことはないだろう。


また、これらの事実によってSPの無駄使いが無くなり、攻撃スキルや回復スキルなど効率よくスキルを取ることができることとなった。

幸いにもファイヤなどの詠唱するタイプのスキルは、二人とも自分の職にある分は取得することができた。

今のところ武器のない俺達にとっては生命線となる魔法系スキル。

あの爆裂スキルがあれば安心な気がする。

これをできるだけ取ることができたのは本当に僥倖だし、きっと生存率も上がるだろう。

あの威力を持ってして傷一つ付かないなど想像がつかない。


というかものすごく便利な項目があった。

それは「錬成」という項目だ。

その項目には自分の所持している物が表示されており、メインやサブなどの選択画面によってその物を選択すると錬成することにより新たに作ることができる物が表示される。


たとえば、俺達がさっきまで寝ていたベッドのかけ布団と俺が着ているスウェットを選択したら「布のジャケット」(必要MP10)、「厚手の服」(必要MP5)などの項目が出た。


どうも「布のジャケット」の方が「厚手の服」より必要MPが多いことから上位の装備品らしい。

布のジャケットを選択すると今度は「布のジャケット+1」(必要MP20)、「布のジャケット+2」(必要MP30)、などの項目が出てきて、どうもMPをかければかけるほど上位の装備品になるようだ。


正直、今俺達が着ているスウェットとパジャマという薄着では寒い。

大事なことだから何度でも言う。

ホント寒い。

小屋の中でも寒いのだから外に出ることなんかマジで無理!!な状況である。


とりあえず、俺のスウェットはかけ布団と合わせて「布のジャケット+10」(必要MP110)を作ることにした。

ピカッとした光とともに右手に持ったかけ布団と着ているスウェットが消えて、俺はそれなりに暖かそうな服一式を着ていた。

さっきまで着ていたスウェットと違い、ぴちっとした茶色のズボンに白いシャツ、その上にズボンと同じ茶色で布地のジャケット。ちょっとオシャレでいい感じである。


「なんか現実離れしてるな。」


「仁いいなぁ。私もかわいいの欲しいなぁ。」


「じゃあ、晴香も服錬成しなよ。ってかしなさい。寒いだろうし、何よりその格好はアカン。」


・・・正直言って晴香は結構かわいい。

背は小さいが整った顔立ちで、大事なことだから再度繰り返すがとてもかわいらしい。

なぜこんなかわいい子が俺と付き合ってくれたのか全然わからないくらいである。

そんな晴香のパジャマ姿は外を歩くには少々セクシー過ぎである。


「そうかなぁ。それじゃあ、私は、枕と毛布貰うね。」


晴香は錬成にパジャマを使わないみたいだ。

枕と毛布が光り輝き、光がなくなったときには厚手の布とか服一式が晴香の腕の中にあった。


「布のローブ+11だって。色も赤くてかわいいし、いい感じだね。」


「ああ。他に錬成するものは・・・。ん?これは。」


果物の入ったバスケットの中にはステーキを食べるときに使うようなナイフが置かれていた。

おそらく皮を剥くために置かれていたのだろう。


「これで武器作れないかなぁ。」


「できそうだけど、なにと合わせるの?」


それが問題だよなぁ。

ん?

・・・これは灯台もと暗しだ。


「もう布団とかも勝手に使ってるし、テーブルとか使ったらダメかな?」


「いいんじゃない。やっちゃえやっちゃえ。」


オッケイッ。

ナイフとテーブルっと。

これでできるのは「木刀」(消費MP5)「ショートソード」(消費MP10)「槍」(消費MP10)か、残りMPは97。

さっきは96だったから1回復したみたいだ。


これでMPは時間が経つにつれて回復することもわかったし、後は武器をどれにするかだよな。

剣聖の剣技L10と聖剣技を取ったから槍は論外。

多分個体としてはショートソードの方が強いけど、+補正観点からしたら木刀が+18、ショートソードが+8と木刀の方が補正がかなり高いようだ。

この補正がどうかかわるかが問題だ。

・・・まあ、正直日光とか行ったときに1000円の木刀とか買っていたし、木刀の方がいいかもな。

・・・あれ?


「晴香。今MP減ってる状態だけど、全回復してから錬成した方が強く錬成できるみたい。そうしてもいいかな。」


「いいよ。太陽的にまだ午前中みたいだし、少しゆっくりしようか。」


「あと、ステータス的に晴香の方がMP100多いし、晴香が錬成してくれ。木刀で最大まで+つけてくれ。」


「了解。でさあ、一昨日学校でミキがさぁ。・・」


俺達が他愛もない話をしていると体感で1時間くらいで晴香のMPは全回復した。

MPは体感1時間で200くらい回復するようだ。

これも覚えておこう。


「じゃあ錬成するね。・・・ん?」


「どうした?」


「木刀+20の次に魔木刀って表示になったよ。+は19まであるかな。」


おそらく魔木刀は木刀の上位武器だろう。

しかも+19だし、そっちの方がいいな。

ていうか、やっぱり晴香のMPはすごく多いな。

俺の1.5倍とかすごいわ。


「じゃあ、魔木刀+19を錬成してくれ。それでMPがある程度回復したら外に出てみよう。街とか人のいる場所まで行けたらいいんだけど。」


「わかった。とりあえず作るね。」


ナイフとテーブルが光り輝き、黒くて長めの木刀が現れた。

持つところにいくつか六芒星が赤く刻まれていて、柄から見るに鉄芯が入っているようだ。


「なんかかっこいい木刀だね。黒いところは仁の家にあった木刀に近いよね。」


「・・・かっこいい!!マジかっこいい!!」


「良かったね。私は職業的に持っていなくても平気みたいだけど、仁は持っていた方がいいよね。」


そうなのである。

晴香の職業は魔道士、神官、狩人の三つであるが、その三つは総じてレベルが高い。

魔道士と狩人に関してはL100を超える最上位職である。


ちなみに俺のL100以上は剣聖のみ。

ていうか晴香の一番の強みは魔道士、神官というある一点に特化した魔法スキル系職業と狩人というバランスも良く素早いという職で、素早く動けて回復系スキルや魔法系スキルを使えるというところである。

・・・まあ、あくまでこの世界がストレートストーリーと同じような世界であるとしての推測ではあるが。


要するに、晴香は今のところ強い魔法があるから絶対に武器が必要というわけではないということだ。

そのうち創った方がいいことには変わりはないが。

逆に俺は武器が必須だ。

魔法剣士と聖拳士のおかげで魔法系スキルと回復系スキルも使えるが、中級レベルのスキルまでしか取れずMAも少ない。魔法だけで絶対に大丈夫とは言えないだろう。

それに俺は職業を5つ持っているがレベルが高いのは剣聖L150のみで、他は平均して低い。


正直さきほどのファイヤの威力的に考えると大丈夫な気がしないでもないが、上位のスキルを活かすなら剣を使う必要があるだろう。


「とりあえずMPが回復したら外に出てみよう。街とかに行けるようなら行って、行けないようなら戻ってこよう。」


「そうだね。」


太陽が真上に来た時に晴香のMPは大体回復した。

その間二人で今後について話していたが、ほとんどは取りとめもない話であった。

さて、そろそろ外に出るか。


「なにが外で起こるか分からないから、用心していこうな。」


「あと、何処かで魔法がどの程度使えるか確認しようね。」


「了解。」


目の前に広がる木々を前にして、二人して一緒に息をのんだ。


「よし!行くぞ!」


「うん!」


バキッと小枝を踏みしめて俺達は前に踏み出した。





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