第57話:スライム型・管理者「ヨル」※ヨルの画像…追加し忘れてました…足しました…
スライムの肉壁に埋もれ、カイは完全に機能停止していた。
「あへぇ……♡ もう……無理ぃ……」
情けない声を上げ、白目を剥いている。 システムログには
Status: Estrous (Infinity)]の文字。
本来なら精神力で耐えられるはずのカイだが(多分)、この霧とスライム娘たちの物理的な愛撫、そしてシステム的な強制発情が重なり、理性が消し飛んでいるのだ。
その惨状を、フェンとルナは荒い息を吐きながら見つめていた。
彼女たちも媚薬ミストの影響で頬を赤らめ、内股になっているが、銀狼の誇りと、生成した氷枕で頭を冷やし、必死に耐えている。
「……ハァ、ハァ……ルナ。気づいていますか?」
「……んんっ……ええ、わかってるわよお姉ちゃん……」
フェンが鋭い視線を周囲のピンク色の霧に向けた。
「スーに『全裸に見えるテクスチャバグ』を仕込んだ人間……つまり『管理者』がこの場にいるはずです。管理者以外に発情霧を仕掛けることができるのは…『サキュバス』以外あり得ません。しかし彼女たちは同盟。管理者確定でしょう。」
「姿が見えないってことは……隠れて見てるのね。趣味の悪い覗き魔だわ」
ルナが鼻を鳴らす。 敵は姿を現さない。その理由は明白だ。
「相手が主様を『管理者』だと認識しているなら、主様が完全に無力化するのを待っているはずです。下手に手を出してカウンターを食らうのを警戒しているのでしょう」 「なるほどね。……どうせカイは今、使い物にならないし」
ルナが呆れたようにカイを見る。 敵を誘い出すには、カイが「完全に終わった」と思わせる必要がある。
フェンとルナの瞳が、妖しく光った。
「なら……私たちがトドメを刺して、油断させましょう」 「そうね。……あいつの精力、根こそぎ絞り取ってやるわよ!」
二人は覚悟を決めると、スライムの山へダイブした。
「悠乃ちゃん! スー! 手伝ってください!」 「えっ、あ、はい! カイさんを助けるためなら!」 「もー、仕方ないのぉ! ウチのテクでイチコロじゃ!」
四人のヒロインが、カイに覆いかぶさる。 スライム娘たちを掻き分け、本命の彼女たちがカイを責め立てる。
「主様……覚悟してくださいね……♡」
「ほらカイ! こっち向きなさい!わたしのちっぱいよ!」
「カイ!うちのミルクじゃぞ!」
「カイさん…私を見てください…♡」
黒いマイクロビキニのフェンがカイの顔を胸に埋め、褐色のルナが全身で絡みつく
スーのひんやりとした皮膚と、悠乃の豊満な果実がカイを包囲する。
端から見れば、酒池肉林のパーティーだ。
「んおぉぉぉ!?大きくて美味しいフェンパイ!!?ちっちゃくて甘いルナパイ!?悠乃のミルクパイパイにスーのエッチな柔らかパイパイ!!」
カイがバカみたいな発言を繰り返す。いいぞ。これでカイを搾り取れる。ついでに弱みも握れる。
「あ!♡今の誰パイ?!今の誰パイなの?!ねえ?!誰パイなの?!」
「うっさいわね!これでも食らいなさい!」
「あ!なんかすごく……いいッ!?」
カイがビクンビクンと跳ねる。 だが、誤算があった。
状態異常「発情(永続)」の効果で、カイの精力がバグったように回復し続けているのだ。出しても出しても、ゾンビのように復活してくる。
「くっ……! なんて回復力ですか……! これじゃ絞り切れません!」
「バケモノかこいつは! ……なら、こうするしかないわね!」
ルナらカイの首に腕を回した。フェンも反対側につく 。そして両耳それぞれを舐める
「お兄ちゃん…♡いいでしょこ・れ♡」
「カイくん…♡これ…好きだよね…?♡」
「んっほおおおおおおおおおおおおおおおお♡お兄ちゃん!ルナたん!しゅき!♡フェンお姉ちゃん♡!しゅき♡!」
――その隙にルナがカイの頸動脈をガッチリと極める。
「あ、が……ル、ナ……?」
「いいから寝なさい! この絶倫バカ!」 「ぐ、え……」
ルナの渾身の締め技が決まり、カイはガクッと力を失い、本当に気絶した。
どーせ今は起きてても役に立たない。ならば自分達で発情したフリをしてカイを果てさせる。動きがあるはずだ。何かしら。
スライム娘たちも、獲物が動かなくなったことで少し動きを止める。
一瞬の静寂。 その隙を、銀狼の嗅覚は見逃さなかった。
「……ん?」
ルナの鼻がピクリと動く。
充満する甘ったるい媚薬と、スライムの体液の匂い。
その中に、異質な「違和感」が混じっていた。
「この甘い霧の中に……変な臭いが近づいてくるわ」
ルナが視線を彷徨わせる。 匂いの種類は、スーや他のスライム娘たちと同じ「スライムの匂い」だ。
だが、決定的に違う点がある。
その匂いは、スライム娘が誰もいない「何もない空間」から漂ってきていた。
(そこか!)
ルナとフェンが目配せをする。
言葉はいらない。姉妹の阿吽の呼吸。
「今です!」
フェンの合図と共に、二人は動いた。
ルナが腰のブーメランを抜き放ち、フェンが空中に氷の槍を生成する。
「そこぉぉッ!」
ルナが右手でブーメランを投擲。
同時にフェンが氷結の槍を射出する。
狙いは、誰もいないはずの虚空。
ドォォォン!!
物理と氷が何もない空間で炸裂した。
空間が歪み、ノイズが走る。
「……ッ」
爆煙の中から、人影が現れた。
攻撃を受けたはずだが、その姿には傷一つない。
現れたのは、一人の女性だった。
体はスライム特有の半透明な青色をしているが、その輪郭は人間に近く、冷ややかな美貌を持っている。
手には、身の丈ほどもある巨大な漆黒の鎌が握られていた。
敵の管理者――「ヨル」。
「……銀狼……二人……」
ヨルは無表情のまま、ボソリと呟いた。
その瞳は冷たく、感情の色が見えない。ただのプログラムのように、淡々と二人を分析している。
「すごい……よくわかったね。完全に気配を消していたはずなのに」
ヨルが鎌を一振りすると、周囲の霧が切り裂かれ、晴れていく。
その圧倒的な圧力に、フェンとルナは肌が粟立つのを感じた。
今までの敵とは違う。
ベルモットやダークのような慢心がない。ただ任務を遂行するためだけに存在する、冷徹な機械のような気配。
「本気で行きますよ、ルナ」 「ええ!あんたたち管理者とは散々戦ったから!観念しなさい!」
フェンが剣を構え、ルナが戻ってきたブーメランを受け止める。
ルナは鼻に皺を寄せ、ヨルを指差して叫んだ。
「それに、くっさいのよ! あんた!」
「……臭い?」
「ええ! スライムの匂いに混じって……死臭がするわ!」
まあそれは私達も同じかもしれないけど…
フェンとルナが来る強敵との戦いに向けて笑みがこぼれる。覇気が漏れる。隠さない。
だって楽しみだから。
今までの雑魚管理者やセシリアとは違う。見せつけてやる。天狼「ガルム」の直系の力を。
ルナの挑発に、ヨルは少しだけ口角を上げたように見えた。
ヨルの周囲に、青白いコマンドウィンドウが無数に展開される。
「悠乃ちゃん! スー!主様をお願いします!目を覚まさせて!」
フェンが叫ぶと同時に、ヨルが動いた。
物理無効のスライムボディを持つ管理者と、最強の銀狼姉妹。
楽園は一瞬にして、修羅場へと変わる。
おまけ
こっからマジでおもろい 一番筆が乗りました




