第26話:悠乃の気持ちいい所1
……フェンとルナが隣で寝てるんだぞ!?)
俺の脳内で警鐘が鳴り響く。 だが、俺の理性はすでに崩壊寸前だった。 布団の中に滑り込んできた悠乃の体温。 ネグリジェ越し――いや、ほとんど素肌で触れ合う、マシュマロのような弾力。 そして何より、鼻腔をくすぐる濃厚で甘いミルクの香りが、俺の思考回路を焼き切ろうとしていた。
「……シッ。静かにせんと、二人が起きるよ?」
悠乃が俺の耳元で囁く。 悪戯っぽい笑み。だが、その瞳は肉食獣のように濡れている。
「カイ……。今日はよう頑張ったな。偉かったで」
彼女の手が、俺の胸板を這い、腹筋を撫で下ろす。
「うちはな……強い男が好きなんよ。村のみんなを守って、スライムを一撃で消し飛ばしたあんたは、ほんまにかっこよかった」
悠乃が体を寄せてくる。 豊満すぎる双丘が、俺の腕にむにゅりと押し付けられ、形を変える。
「でもな……それ以上に、好きなんよ」 「……なにがだ?」 「その強い男が……うちの前だけで、情けのう甘えてくる顔が」
悠乃が恥ずかしそうに…でも妖艶な表情で続ける
「うちな…?あんたがうちの胸の間に挟まって情けなく『ママ…♡』って弱虫みたいに甘えて溺れて沈んでいくのを見たいんよ…うちなしで生きて行けれんようにしたいんよ…」
悠乃がクスクスと笑った。 昼間のことだ。俺が「頭が痛い」と仮病を使って、彼女たちに頼ったあの情けない姿。 あれが、逆に彼女の琴線に触れたらしい。
「あんなすごい力を持っとるのに、実は弱虫で、甘えん坊で……。そんなん見せられたら、うち、疼いてしまうわ」
彼女が小刻みに震える。その拍子に彼女の大きい丘がこきざみに揺れる
彼女は俺の上に跨ると、その重量感たっぷりの胸を、俺の顔に押し付けた。
「……ええよ。今は誰も見とらん。うちの胸で、思いっきり甘えてええんよ?」
視界が白く埋め尽くされる。 圧倒的な母性の暴力。
「んぐっ……! 悠乃……!」 「声、出したらあかんで? ……バレたら怒られるじゃろ?」
悠乃は楽しそうに、けれど容赦なく俺を攻め立てた。 少しでも声を上げれば、隣で寝ているフェンとルナが起きてしまう。 その背徳感が、逆に俺の興奮を限界まで高める。
衣擦れの音。 水音。 そして、抑えきれない吐息。
「ふふ、可愛い顔……。もっと、うちのミルクでドロドロにしてやるけぇ……」
彼女は俺を抱きしめ、子供をあやすように頭を撫でる。 俺は英雄の仮面を剥がされ、ただの彼女の息子として、彼女の深い愛情と肉欲の沼へと沈んでいった。 その夜、俺は文字通り「骨抜き」にされ、二度と逆らえない体に作り変えられてしまったのだった。
◇ ◇ ◇
チュン、チュン……。
小鳥のさえずりが、朝の訪れを告げていた。 窓から差し込む朝日が眩しい。
「……んぅ……」
俺は重いまぶたを開けた。 体が重い。 物理的に重い。 俺の左腕にはフェンが、右腕にはルナが……いや、違う。
俺の上半身を覆い尽くすように、何か巨大で温かいものが乗っかっていた。 悠乃だ。 彼女は昨晩の事後そのままに、俺に抱きつき、足を絡めて眠りこけていた。 はだけたネグリジェからは、昨夜俺が堪能した果実がこぼれ落ち、シーツには白いミルクの跡が点々と残っている。
「……あ」
俺は思考停止した。 そして、恐る恐る視線を横に向けた。
そこには、頬杖をついて俺たちを見下ろしている、フェンとルナの姿があった。
「…………」 「…………」
二人は起きていた。 いや、完全に目が覚めている。 そして、ニヤニヤと楽しそうに俺と悠乃を観察していた。
「……あ、おはよう。二人とも」
俺は震える声で挨拶した。 フェンが「あらあら」と口元を押さえる。
「おはようございます、主様。……昨日の夜は、随分と『激しい戦い』だったようですね?」 「えっ」 「気づかないとでも思いました? ベッド、ギシギシ揺れてましたよ?」
バレてた。 完全にバレてた。
ルナが呆れたように、でもどこか嬉しそうに溜息をつく。
「ま、仕方ないわよね。お兄ちゃんってば、ああ見えて結構強引なところあるし? ……悠乃ちゃんも、満更でもなかったみたいだし」 「いや、これはその……不可抗力というか、介護というか……」
俺がしどろもどろになっていると、その騒ぎで悠乃が目を覚ました。
「んん……カイぃ……もう一回するんかぁ……?」
寝ぼけ眼で、とんでもない爆弾発言を投下する悠乃。 彼女はむくりと起き上がり、あくびをして――目の前でニッコリ笑っているフェンとルナに気づいた。
「――――ッ!?」
悠乃の動きが止まる。 彼女は自分の格好(ほぼ全裸)を見下ろし、隣にいる裸の俺を見、そして二人の顔を見た。 みるみるうちに、彼女の顔が茹でダコのように真っ赤に染まっていく。
「あ、あ、あのな!? ち、違うんよ!?」
悠乃が両手をブンブン振って否定する。 だが、その拍子に豊かな胸がブルンブルンと揺れ、説得力をゼロにする。
「こ、これはな! その……治療! そう、治療じゃ! カイの具合が悪そうじゃったから、うちが温めてあげとっただけで……!」
「ふふ、そういうことにしておきましょうか」 「治療でそんな声出すんだ? へぇ~」
フェンとルナの生暖かい視線が突き刺さる。
「う、うわぁぁぁぁん! 違うんじゃぁぁぁ!」
悠乃は顔を覆ってベッドに突っ伏した。 その耳まで真っ赤になっている姿は、昨夜の妖艶な「お姉さん」とは程遠い、純情な少女そのものだった。
「……まあ、お兄ちゃんって魅力的だもんね。仕方ないわ」 「ええ。私たちの主様ですから、これくらいモテて当然です」
二人は怒るどころか、どこか誇らしげに俺の両脇に潜り込んできた。
「さあ主様、私たちも『朝の治療』をお願いしますね?」 「私も……まだ眠いから、二度寝しよっか?」
右にフェン、左にルナ、上に悠乃。 朝から再び、俺は幸福な地獄へと突き落とされたのだった。
おまけ
もしもフェンなら
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